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「光輪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

光輪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
と見えませんが、入口の菰《こも》を洩れる芥火《あくたび》の光をうけて、美しい金の光輪ばかりが、まるで月蝕《げっしょく》か何かのように、ほんのり燦《きら》めいて居....
或る女」より 著者:有島武郎
音に葉子はようやく目をさまして、仰向いたまま、すすけた天井に描かれたランプの丸い光輪をぼんやりとながめていた。 その時じたッじたッとぬれた足で階子段《はしごだ....
魔法修行者」より 著者:幸田露伴
地蔵は日本製の地蔵で、身に甲冑を着け、軍馬に跨って、そして錫杖と宝珠とを持ち、後光輪を戴いているものである。如何にも日本武士的、鎌倉もしくは足利期的の仏であるが....
古き小画」より 著者:宮本百合子
った。 四十八 虹は、ちょうどイラン軍の真後の地平線に、壮麗な光輪のようにかかっていた。七色の縞が鮮かに見え、ルスタムの処から眺めると、数多い....
モスクワ印象記」より 著者:宮本百合子
りた。 午後三時半、日が沈みかけた。溶鉱炉の火玉を吹き上げたように赤い、円い、光輪のない北極的な太陽が雪で凍《い》てついた屋根屋根の上にあり、一本の煙筒から、....
風流仏」より 著者:幸田露伴
の花綴衣麗しく引纏せたる全身像|惚た眼からは観音の化身かとも見れば誰に遠慮なく後光輪まで付て、天女の如く見事に出来上り、吾ながら満足して眷々とながめ暮せしが、其....
現代の主題」より 著者:宮本百合子
客観のレンズを奇妙な凹凸鏡にすりかえて、それに映れば焦点がわれて、かざされる剣が光輪のようにも見える状態をつくろうとしはじめている。 第一次ヨーロッパ大戦の後....
一九二七年八月より」より 著者:宮本百合子
ワ 午後三時半頃日沈、溶鉱炉から火玉をふき上げたような赤い太陽(円く、大きく)光輪のない北極的太陽 雪のある家々の上にあり 細い煙筒の煙がその赤い太陽に吹き上....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
すます頻繁《ひんぱん》に現われてきた。ついにはクリストフを、不断の淡い夢のような光輪で取り巻いて、そこに彼の精神を溶かし込んでしまった。その半ば幻覚の状態から彼....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
徳――快楽の契約にすぎず、相互交歓の放肆《ほうし》な連盟にすぎないが、神聖という光輪をまとってみずから喜ぶ道徳、そういう道徳の使徒となっていた。そこに小さな偽善....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
あれば、露の中から、光を放っているように見えるのだ)――露に映した、自分の頭上に光輪が輝くことは、だれ一人知らぬ者とてない、普遍の道理ではないか。 すると、再....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
いいえいいえ、私はけっしてそうとは信じません。 きっと貴方は、最後の悲劇を詩の光輪で飾りたかったに違いありませんわ。そして、しめやかな通夜を他目に見て――俺は....
地上」より 著者:島田清次郎
いた。梅雨上りの夕景の街は雨にぬれて空気は爽やかであった。うるんだ空に五色の虹の光輪がかかっていた。家財とても荷車に積んでみるとそんなになかった。平一郎は三度目....
日記」より 著者:宮本百合子
い空には、昼間降った雨の名残りで水蒸気があると見え、円い月の囲りに、大きな大きな光輪が出来て居た。鋭く光った月の周囲幾百尺かの間、淡い憂鬱な光波が大らかに拡り、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
……ほう、灯とは、目がくるめくほど、明るいものだの」 と、君臣は、なにか美しい光輪の虹でも見まもるように、しばしその夕は、一|穂の灯に見恍れ合った。 夜の御....