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「克己〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

克己の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「身投げ救助業」より 著者:菊池寛
されている。牢屋にいる人間でも自殺だけはできる。両手両足を縛られていても、極度の克己をもって息をしないことによって、自殺だけはできる。 ともかく、京都によき身....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
ながら、しかも哄然《こうぜん》と笑ってみせた。ローマ人カトーを凌《しの》ぐような克己的な態度がワトソンを圧服した。ワトソンは木柵を掴《つか》んでいる自分の手が、....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
えこそ讃美べきかな。それは隠遁の教えではない。勇往邁進建設の教えだ。禁慾の教え、克己の教えだ。……妾はすぐに殺されよう。妾はすぐに火炙りに成ろう。しかし妾の云っ....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
つもりで、迎いに来られた時には、わざわざその用意までして出掛けたのだ。僕はまた、克己とか節制とかいうことの、ことさらの何の修養をも積んでいた訳ではない。反対に、....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
行である。他の者にとりて、それは苦難と悲痛との修行である。その他知識を求むる者、克己自制の修養を遂げんとする者等、各人各様である。要するに地上に降る者には、皆何....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
内からの支配力がどんなに強いかの証拠であって、男子にとっては実はこれは容易でない克己がいるので、苦い顔をしながらも、どうも婦人のいうことをきかずにはおれぬのであ....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
寺の寄人）、桑山家の浪人夏目主水（今は大道のチョンガレ坊主）、久世家の旧家臣鳥井克己（今は大須の香具師の取り締まり）、石川家の浪人佐野重治（今は瑞穂町の祭文かた....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
の詮議よりもむしろその方をよろこんでいたのだろう。そこに父の平生抑えていて弛めぬ克己心の発露がある。こうして父は苦行の道を択んで一生を過したといって好い。 こ....
「髪」より 著者:織田作之助
た。そのため彼等はやがて高等文官試験に合格した日、下宿の娘の誘惑に陥らないような克己心を養うことに、不断の努力をはらっていた。もっとも手ぐらいは握っても、それ以....
「赤げっと　支那あちこち」より 著者:国枝史郎
ルに陣取っている。昨夜は僕の二十年来の親友であり、目下は満洲日報社主筆である竹内克己氏の私宅で、支那服のよく似合う同氏の奥さん富子夫人や、僕の叔父の今井行平など....
「今昔茶話」より 著者:国枝史郎
った。その時の同僚といえば、この記事を掲載する「外交」の社長の竹内夏積（本名は、克己だ）や、画家の幡恒春や、今は無き橋戸頑鉄や、水島爾保布や、釈瓢斉などであり、....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
て後に見て悔いるような作品をつくることはございません。私がいささかでもこの気魄と克己心を持っておりますのは、母から受けついだ血であり、母の励ましのお陰であろうと....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
エガアトンは手紙をむすぶ「困難は、善良なる閣下よ、御自身にお克ちになることです。克己こそあらゆる真の勇気、真の磐石心の最高峰であり、あなたの潔き行動は、何事もこ....
「文化線の低下」より 著者:小川未明
るために、文化戦線は低下したと言えるでありましょう。人間は、善美の理想に向って、克己奮闘する時こそ、進歩も向上も見られるけれど、雷同し、隷属化された時は、自分自....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
ことは何か？――運命！ 同一の戦いの三つの叫び、三つの挿言。――身を※く誇り。克己的な忍受。そして精神の勝利。――われわれは彼の音楽の中でいかにたびたびこの三....