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免る
「免る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
免るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
え、DS の御徳にすがり奉って、万一「いんへるの」の業火《ごうか》に焼かるる事を
免るべし」と。われ、さらにまた南蛮の画《え》にて見たる、悪魔の凄じき形相《ぎょう....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
政道を発見し得たること少なしとせず、しかして今やよく立憲政体と相|支吾することを
免る、これ吾人のいささか世界に対して栄とするに足るものなり。 吾人はすでに若干....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
情充分あり「之加も自ら殺せしと白状したり」愈々彼れが殺せしとすれば成るほど其疑を
免るゝ奇策として我名を記すの外なきなり、我名を記すも老人の右の手を以て記す可から....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
涙に咽び、妻は褥さえない板敷に膝を揃えて坐ったまゝ、不遇な運命に泣いているのだ。
免るべからざる人間生活の裏面にまざ/\と直面して、誰か何の感動を受ける事なしにこ....
「運命」より 著者:幸田露伴
り九月に至り、燕兵西水寨を攻め、十月真定の援兵を破り、併せて寨を破る。房昭走りて
免る。 十一月、※馬都尉梅殷をして淮安を鎮守せしむ。殷は太祖の女の寧国公主に尚....
「死生」より 著者:幸徳秋水
る、これ天文・地質・生物の諸科学が吾等に教ゆる所である、吾等人間|惟り此|鈎束を
免るることが出来よう歟。 否な、人間の死は科学の理論を俟つまでもなく、実に平凡....
「紀行文家の群れ」より 著者:小島烏水
編輯記者に相話し早速御送金いたすやう取計らひ申すべく、不知とは申しながら怠慢の罪
免るべからざることと存候、何卒不悪御思召被下度候、追々年もさし迫りさぞ御忙しきこ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ごとく、全然反対の考え方もあることを付加するだけの用意を持っていさえしたならば、
免るる、少なくとも半減することができたのである。そしておそらく私のみでなく、ほと....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
年よりの催促、今に至って小田原へ参向するとも時は晩《おく》れ居り、遅々緩怠の罪は
免るるところはござらぬ、たとえ厳しく咎《とが》められずとも所領を召上げられ、多年....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
す! 余は思わず甲板上に身を投げて慟哭せり、されど泣けばとていかでかこの悲境より
免るるをえん、しばらくたって余はふたたび甲板上に立ちあがりしに、今は地球の果に来....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
るは編者の最も喜ぶ所なり。如何と言ふに其間に昨年の大震大災あり、我が寓亦その禍を
免る能はず、為に材料一切を挙げて烏有に帰せしめたる事実あればなり。当夜我僅に携へ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
その他、さきに示したる立春大吉を四方の柱にはれば、火難、盗難、その他一切の厄難を
免るべしといえるは、これけだし、四方より入りくる悪魔を防ぐの意なり。 古来、人....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
すけれど、心に動くエロチッシュの興味を何といたしましょう。しかもこれ神様の眼には
免るることのできぬ姦淫です。もし人々の群れを離れて淋しきに住めば、どのような人を....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
も知れないという考えがあったので東南の山中に進行したです。
もし彼らの毒手から
免るる事が出来たならば実に彼らの兄弟喧嘩で私が拳骨一つ喰ったのが誠に好い仕合せで....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
は、その名は藤原氏が弟義経を容隠したにあったとはいえ、その根本はやはり華夷の衝突
免るべからざるものであったのだ。仙北俘囚の勢力の最後も、実にこの頼朝奥州征伐の時....