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免状
「免状〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
免状の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
、いずれ奉公に出すか高利の勘定や集金に使う肚らしかった。 夜寝しな、豹一の優等
免状を膝の上に拡げていつまでも見、安二郎が言ってもなかなか寝なかった。やがて物も....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
びまわるのに夢中だった。彼は遂に一台の高級クーペを買いこむと、簡単に乙種運転手の
免状をとり、その翌日からは、東京市内は勿論のこと、横浜の本牧海岸、さては鎌倉から....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
その他いろんな専門学校を出たものがいた。そんなのは何かの必要からただ中学校卒業の
免状だけを貰いに来たのだ。また、顔を見ただけでも秀才らしいまだ年少の、あるいはぼ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
響もなく、優等賞も及第も落第もすべて定期試験の点数だけによって定まるのであった。
免状授与式の日は勿論であるが、定期試験の当日も盛装して出るのが習いで、わたしなど....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
っていた国だ。 「結構です。しかし、スペインへ行くにしても、勿論日本の官憲の旅行
免状が要るんでしょう。それはどうするんです。」 「それはこっちで大使館とかけ合っ....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
、どちらかというと遅すぎる位のものです。で、家内は最後の日には烏啼にポテト講習の
免状を授けていたんだといいます。それからですね、これは言うまでもないことですが烏....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
やだね。エンジンが停って、速力が殖えるなんて、どうしたことだ。おれはもう運転士の
免状を引き破ることに決めた」 「いや、俺は気が変になったらしい」 「わしは、もう....
「雨」より 著者:織田作之助
どもにわかに想いだして、お君はすっかり体の力が抜け、ひっそりと暮した。豹一の優等
免状などを膝の上に拡げているのだった。物も言わずに突き膝で箪笥の方へにじり寄り、....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
した。 「やあ。」 若い男は僕の町の薬屋のせがれで、福岡か熊本あたりで薬剤師の
免状を取って来て、自分の店で調剤もしている。その名は市野弥吉といって、やはり僕と....
「アラメダより」より 著者:沖野岩三郎
には必ず卒業してお帰りなさい。』と云いやった。果して桐村氏は五十になって歯科医の
免状をとってハワイに帰った。 彼女は福知山藩士の佐幕党の娘で、京都では梅田雲浜....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
ことばかりだ。そして息子はナチス。やっと月謝を工面して体操学校へ通って中等教員の
免状を取るつもりだがその
免状を取ってからにしても殆んど就職の当てはない。道路工事....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
ね八卦には趣味をもっていたが、まさか本業にしようとは思いも掛けて居らず、講習所で
免状を貰い、はじめて町へ出る晩はさすがに印刷機械の油のにおいを想った。道行く人の....
「旅への誘い」より 著者:織田作之助
て、暫らく口も利けず、じっと妹の顔を見つめていたが、やがて、いきなり妹の手を卒業
免状と一緒に強く握りしめた、その姉の手の熱さに、道子はどきんとした。 「あら、お....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
の音楽史研究者の余り知らない頗る変梃な秘史である。) 椿岳は諸芸に通じ、蹴鞠の
免状までも取った多芸者であった。お玉ヶ池に住んでいた頃、或人が不斗尋ねると、都々....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
出来るのだし、二葉亭は同学中の秀才だったから、そのまま欠席して試験を受けないでも
免状を与えようという校長の内諭もあったが、気に喰わない学校の卒業証書を恩恵的に貰....