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兎馬
「兎馬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
兎馬の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
、――雪の積った城楼《じょうろう》の屋根だの、枯柳《かれやなぎ》に繋《つな》いだ
兎馬《うさぎうま》だの、辮髪《べんぱつ》を垂れた支那兵だのは、特に彼女を動かすべ....
「わかれ」より 著者:国木田独歩
り。青年は童の言うがまにまにこの驢馬にまたがれど常に苦笑いせり。青年には童がこの
兎馬を愛ずるにも増して愛で慈しむたくましき犬あればにや。 庭を貫く流れは門の前....
「三国志」より 著者:吉川英治
曳かせて来たのだ。気に入るかどうか、見てくれ給え」と、外へ誘った。 呂布は、赤
兎馬を一見すると、 「これは稀代の逸駿だ」と驚嘆して、 「こんな贈り物を受けても....
「三国志」より 著者:吉川英治
何の造作がありましょうや。こんな時、それがしをお用い下さらずして、何のために、赤
兎馬を賜わったのですか」 と、むしろ責めるような語気で、なお云った。 「この呂....
「三国志」より 著者:吉川英治
、私は涙をふるってあなたの側から去るでしょう」 呂布もついに意を決した。 赤
兎馬は、久しぶりに、鎧甲大剣の主人を乗せて、月下の四十五里を、尾をひいて奔った。....
「三国志」より 著者:吉川英治
ないやつだ。泣くな、もう悲しむな。城を出ることは止めにしたよ。おれに画桿の戟と赤
兎馬のあるうちは、天下の何人だろうが、この呂布を征服することができるものか。――....
「三国志」より 著者:吉川英治
× 山はところどころ紅葉して、郊外の水や道には、翻々、枯葉が舞っていた。 赤
兎馬はよく肥えていた。秋はまさに更けている。 「……はて。呼ぶものは誰か?」 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
鉄甲陣。そのまっ先に進んでくるのはまぎれもなし、青龍の偃月刀をひっさげ、駿足|赤
兎馬に踏みまたがって来る美髯将軍――関羽であった。 「最期だっ。もういかん!」 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
焔のような尾を振り流した赤毛の駿馬が、莫と、砂塵を蹴って横ぎった。 これなん赤
兎馬であり、馬上の人は関羽であった。 「――あっ、関羽」 と、思わず声を発して....
「三国志」より 著者:吉川英治
のだろう?」 四、五日すると、彼はひどく悄気てしまった。 なぜならば拝領の赤
兎馬は、関羽の死んだその日から草を喰わなくなったからである。秋日の下に曳きだして....