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「兜巾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

兜巾の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
追憶」より 著者:芥川竜之介
人公はあるいは僕の記憶に残った第一の作中人物かもしれない。それは岩裂の神という、兜巾鈴懸けを装った、目なざしの恐ろしい大天狗だった。 七 お狸様 僕....
天守物語」より 著者:泉鏡花
いましな。 朱の盤 聞かさいで何とする。(扇を笏に)それ、山伏と言っぱ山伏なり。兜巾と云っぱ兜巾なり。お腰元と言っぱ美人なり。恋路と言っぱ闇夜なり。野道|山路厭....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
を澄ます所に、案内申さんとは、誰そ。」 すらすらと歩を移し、露を払った篠懸や、兜巾の装は、弁慶よりも、判官に、むしろ新中納言が山伏に出立った凄味があって、且つ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
大詰まで見ていようとする。 その時、舞台の上なる仏頂寺弥助は、組敷かれた弁慶の兜巾《ときん》に手をかけて、 「団十郎とか、海老蔵とかいう名前は、芝居の方では太....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
われて来ませんでした。どこにあったか天狗の面をかぶって、頭へは急ごしらえの紙製の兜巾《ときん》を置き、その背中には、前に弁信が背負っていた笈を、やはり頭高《かし....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
きく、又眼の色が人を射るように強い位の相違で、そしてその総髪にした頭の上には例の兜巾がチョコンと載って居りました。 『女人禁制の土地柄、格別のおもてなしとてでき....
大江山」より 著者:楠山正雄
向けて立つことにきめると、頼光はじめ六|人の武士はいずれも山伏の姿になって、頭に兜巾をかぶり、篠掛を着ました。そして鎧や兜は笈の中にかくして、背中に背負って、片....
天狗の鼻」より 著者:豊島与志雄
してひょいと見ると、まごうかたなき大天狗が眼の前に立ってるではありませんか。頭に兜巾《ときん》をかぶり、緋《ひ》の衣《ころも》をつけ、手に羽うちわを持って、白い....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
「その筈だ」 と、兵庫はいった。 「あの山伏は、おそらく九度山の一類だろう。兜巾や白衣を鎧甲に着かえれば、何の某と、相当な名のある古強者にちがいない」 群....
山の人生」より 著者:柳田国男
いい、または大人・山人ともいって、山男と同一視するところもある。そうして必ずしも兜巾篠懸の山伏姿でなく特に護法と称して名ある山寺などに従属するものでも、その仏教....