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兜率
「兜率〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
兜率の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
取らるる例多しとウットが書いた。かく不埒《ふらち》千万な野干も七日不食十善を念じ
兜率天《とそつてん》に生まれたと『未曾有経』に出づ。ラッツェルの『人類史』にアフ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
大臣《きびのおとど》かの霊に逢いて仔細を知り、掘り得た金で追善したので、蛇身から
兜率天《とそつてん》へ鞍替《くらがえ》したちゅう話など、かのインド譚から出たよう....
「連環記」より 著者:幸田露伴
居士の終りには、聖衆来迎、紫雲音楽めでたく大往生というのが常である。それで西方|
兜率天か何処か知らぬが遠いところへ移転したきりというのが定まりであるが、寂心の事....
「死者の書」より 著者:折口信夫
藍すべては、当麻のみ寺のありの姿であった。だが、彩画の上に湧き上った宮殿楼閣は、
兜率天宮のたたずまいさながらであった。しかも、其四十九重の宝宮の内院に現れた尊者....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と同時に、強烈な精神凝集が起ると云う事は、心理学上当然な推移に違いないのだ。今に
兜率天から劫火が下って薬師如来の断罪があるだろう――とそう云う疑念を、鋭敏な膜の....
「「二銭銅貨」を読む」より 著者:小酒井不木
分に、「二銭銅貨」のような優れた作を見せて下さった森下さんは、その功徳だけでも、
兜率天に生れたまうこと疑なし。碌に読めもしない横文字を辿って、大分興味を殺がれな....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
ってある。肩も背も半身の膚あらわにおわする。 牙の六つある大白象の背に騎して、
兜率天よりして雲を下って、白衣の夫人の寝姿の夢まくらに立たせたまう一枚のと、一面....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
われる。これは私が見た上での一家言でなくって、不風流なチベット人も十五日の供養は
兜率天上弥勒の内縁に供養したその有様をこのラサ府に現じたのであると、彼らは諺のよ....