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「兜町〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

兜町の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:島崎藤村
の時彼は叔父の思惑を憚るという風であったが、やや躊躇した後で、自分の行くべき道は兜町の方角より外に無い――尤も、これは再三再四熟考した上のことで、いよいよ相場師....
縮図」より 著者:徳田秋声
みこむなど、激しい気象のお神にも、拒ぐに手のない破綻は仕方がなかった。 銀子に兜町の若い旦那の客がついたのは、土の見えないこの辺にも、咽喉自慢の苗売りの呼び声....
足迹」より 著者:徳田秋声
を締め、買立ての下駄に白の木綿足袋をはいて、細く折った手拭や鼻紙などを懐に挿み、兜町へ出ている父親の友達の内儀さんに連れられて、日本橋の方へやられたころには、こ....
私の書きたい女性」より 著者:宮本百合子
らはじまって少女歌劇の女優、婦人作家をふくむ女重役というものがあらわれているし、兜町・堂島に、女の相場がはやって来ています。その一方では、民主的な日本の新しくす....
」より 著者:岡本かの子
あして気楽に戸外散歩してますから、体は丈夫ですよ。長生きするでしょうな。 男は兜町で激しく働くので時々軽い脳病になり、この病院へ来るのも二十年程前からなので、....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
だった。四、五人の禿新造に取り巻かれて、奥のとある楼《うち》から今しがた出て来た兜町らしい男を見ると、伝二郎は素早く逃げ出そうとした。 「どうした?」 と藤吉....
現場の写真」より 著者:小酒井不木
く、ことし二十五歳になる手代の甚吉をいっしょに住まわせて、昼間は二人とも日本橋|兜町の店に行き、いつも夜遅くに帰り、食事は三度とも店の方でするので、女中を一人も....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
くっきりと浮かして、ごらんなさい、それだけで、私のうちの估券がグッと上りまさね。兜町の、ぱりぱりしたのが三四人、今も見物で一所ですがね。すぐ切上げてもいいんです....
式部小路」より 著者:泉鏡花
、愛の奴のうろたえさ加減ッたらなかったそうで。 その店請というのは、何ですよ。兜町の裏にまだ犬の屎があろうという横町の貧乏床で、稲荷の紋三郎てッて、これがね、....
一日一筆」より 著者:岡本綺堂
一 五分間 用があって兜町の紅葉屋へ行く。株式仲買店である。午前十時頃、店は掻き廻されるような騒ぎで、....
春泥」より 著者:久保田万太郎
。――東京中の新派という新派の役者はみんなあつまった。――それへ持って来て河岸や兜町の客筋、新聞記者や文士、新橋柳橋芳町から手伝いに来た連中だけだってすさまじい....