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兜虫
「兜虫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
兜虫の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青年」より 著者:森鴎外
分は靄が一ぱい立ち籠めて、明りを覗って虫が飛んで来て為様がないからね。それ、あの
兜虫のような奴さ。東京でも子供がかなぶんぶんと云って、掴まえておもちゃにするのだ....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
笑をもって酬いらるるに過ぎないかも知れない。 だが、その小さな、謙遜な花から、
兜虫のように、鬼のように、いかつい角を生した青黒い顔の菱の実が生れるのだ。 く....
「霧の中」より 著者:豊島与志雄
、へんに佗びしい頃だった。白い街道を、一台のトラックが走って来た。初めは小さく、
兜虫のようにのろのろと、やがて大きくなり、早くなって、風のようにさっと通りすぎ、....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いる。今はだれもその張子《はりこ》を恐れない。小鳥はその案山子《かかし》になれ、
兜虫《かぶとむし》はその上にとまり、市民はそれを笑っている。
四 二つの義務―....
「古木」より 著者:豊島与志雄
ていました。雨のあとには、大きな蝸牛が匐いまわっていました。時には、黒光りのする
兜虫がいました。夕方など、蟇が眼を光らしていることもありました。 秋になると、....