»
入
「入〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
入の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
く》田舎者《いなかもの》らしい父親ではない。綺麗《きれい》に口髭《くちひげ》の手
入れをした、都会人らしい紳士である。少年の顔に往来する失望や当惑に満ちた表情。紳....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
く》くなった。そこで甚太夫がわざと受太刀《うけだち》になった時、奮然と一本突きを
入れた。甚太夫は強く喉《のど》を突かれて、仰向《あおむ》けにそこへ倒れてしまった....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
方知れずになった。それを一つ見て貰いたいんだが、――」 日本人は一句一句、力を
入れて言うのです。 「私の主人は香港の日本領事だ。御嬢さんの名は妙子さんとおっし....
「狂女」より 著者:秋田滋
かりの赤ン坊を亡くしてしまったのだった。 死と云うやつは、一たびどこかの家へ這
入ると、それから後は、もうその家の
入口をすっかり心得てでもいるように、すぐまたそ....
「墓」より 著者:秋田滋
墓地のはずれに建っている小さなほったて小屋に寐起きをしている墓番は、台所のなかへ
入れておいた飼犬がけたたましく吠えだしたので、その声に夢を破られた。 すぐに寐....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
間の一人が書き遺していった手記がその男のテーブルの上に発見され、たまたま私の手に
入った。最後の夜にその男が弾をこめたピストルを傍らに置いて書き綴った手記である。....
「初雪」より 著者:秋田滋
波のうえにぽっかり浮び、樅の木に蔽われたその島の背を二つ見せている。 この広い
入江のほとりや、カンヌの町を三方から囲んで屹立している高い山々に沿うて、数知れず....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
は異な事なれど、予は物覚えよく、一を聞て二三は知るほどなりしゆえ、伯父はなお身を
入れてこの子こそ穂垂という家の苗字を世に知らせ、またその生国としてこの地の名をも....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
て無味乾燥ではない。電磁気廻転を発見して、踊り喜び、義弟をつれて曲馬見物に行き、
入口の所でこみ合って喧嘩椅子にかかりて、西向きの室から外を眺めつつ日を暮らし、終....
「寡婦」より 著者:秋田滋
強かったのです。トラピスト教会の修道士になるような人たちの性質は、サロンなどに出
入りする浮気な人たちとは同日に云えないものがあるでしょう。親類の間にはこんな言葉....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ニコラスに加護をねがいながら、横断したものだ。そこの東側の岸にくいこんでいる広い
入江の奥に、小さな市場か田舎の港といったような町があり、ある人たちはグリーンズバ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
その子宝もようやく授かった。男の子だったので、ジャンという名をつけた。眼のなかへ
入れても痛くない、子供の顔を見ないでは夜も日も明けないと云う可愛がり方。そして、....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
な叫び声のような、何だか解らない、悲痛な、物狂おしいものが、ひっきりなしに耳に這
入ってくる。それはまた、足をむずむず歩く。足は、行きたい、そういう場面が見られる....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
な晴耕雨読か、それとも晴読雨書なのか、姿こそ農民であっても、一たん彼氏の部屋には
入れば、萬巻の書に足の踏場もなかったとは次兵衛がよく話していた。あの長篇快作『ド....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
ちが紅葉を見に来るほか、何の取柄もないような村でありました。しかし百姓たちの村に
入るところに大きな河が流れて、その河には、秋になると、岩名や山魚が沢山に泳いでい....