入り代り[語句情報] » 入り代り

「入り代り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

入り代りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鯉魚」より 著者:岡本かの子
》の上司へ突出《つきだ》そうと、手ぐすね引いて睨《ね》めつけています。 大衆が入り代り立ち代り問い詰めても、昭青年はただ 「鯉魚」と答えるだけでした。 「仏子....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
以上、手数をかけないで云って終え」 自白 署長以下刑事達に入り代り責め問われて、今は口を開かぬ訳に行かなくなり、貞を上海に売飛ばしたと答え....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
資本家は「モルモット」より安く買える「労働者」を、乃木軍神がやったと同じ方法で、入り代り、立ち代り雑作なく使い捨てた。鼻紙より無雑作に! 「マグロ」の刺身のよう....
旅愁」より 著者:横光利一
矢代の後から久慈と東野も外へ出たが、出ると同時に三人は声を合せて笑い出した。入り代りに旅行者らしい三四人の客がまた中へ這入っていくのを振り返り皆は顔を撫でた....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
あれで首尾よくとっちめてしまった」 「いや町内では、もう大変な評判で、さっきから入り代り立ち代りお礼にやって来ますが、なんでも先生が柔術の達人で、茶袋を手玉に取....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の旅客を満載した定期の渡し船が、向うの岸からこちらの岸へ到着しました。 それと入り代りに、こちらに待兼ねた士農工商が、いま到着した渡し船に、普通ならば我先に乗....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
そのうえアフガニスタン王のために四人乗りの車室しか取れなかったので、途中の駅から入り代り立ちかわり色んな人物が割り込んでくる。これにも弱らせられたが、このほうは....
売春婦リゼット」より 著者:岡本かの子
パの鋸楽師と、ママンのマギイ婆さんが珍らしそうに英語名前の食ものを食っている間に入り代り立ち代り獲ものは罠の座についた。しかし、英吉利人は疑い深くて完全に引っか....
枯菊の影」より 著者:寺田寅彦
細いと思った。ちょうど二学期の試験のすぐ前であったが、忙しい中から同郷の友達等が入り代り見舞に来てくれ、みんな足しない身銭を切って菓子だの果物だのと持って来ては....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
でも追うように追うのがおかしくて堪らないけど、同じ男がくるのだか別の男なのだか、入り代り立ち代り眠るまもなく押しよせてくるので、私たちは昼間でないと眠るまがない....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
触れをいって置きましょう。明治二十三年に初めてこの名称が出来て以来、欠員があると入り代り立ち代り、いろいろの人が撰抜されまして、今日では確か十五名あると思います....
」より 著者:犬田卯
して、行くんなら何時でも行ってやるから……と繰返して言って遠慮がちに出て行った。入り代りに、裏の家の女房が、夕飯の支度に野良から上って来たといって立ち寄らなかっ....
青蛙神」より 著者:岡本綺堂
さびしいような、騒々しいような。なんだか忌な晩だねえ。(寝室に入る。) 李中行入り代り、立ち代り、おかしな奴が押掛けて来て、まったく忌な晩だ。高田さんに居て貰....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
恩の家の子、老若の女房ども、新古参の盲法師、歌連歌の者、さては田楽、ばさらの者、入り代り立ち代りに詰め切って、ひたすらその機嫌を取ることに努めているが、彼の病い....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
も、翼ある獅子をも、 十字架をも、月をも怖れず。 上つ方にて国を立て、位に即き、入り代りて立ち働き、 かたみに逐ひ遣り、打ち殺し、 穀物をも、青人草をも刈り倒す....