入り込む[語句情報] »
入り込む
「入り込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
入り込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
の辺だろう。と、われわれはもっと真相を知らねばならない。さあ、そうなるとどこから
入り込むか」 「発信者の所在を早く探出すことだね」 と別の記者が口をはさんだ。....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
知ることは六ヶ敷いことでした。これが活動写真かなにかなら私が変装でもして邸の中に
入り込むのですが、それ程大胆な事は出来ない。学生らしい弱気も充分にあったのです。....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
そこまで来ると、殆んど船乗りばかりのその座は、妙に白けて、皆ないやアな顔をして滅
入り込むのが常だった。 今夜も、とどのつまり、それがやって来た。 海から吹き....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
育を受けるために、西洋の大学に群がってゆく。われわれの洞察力は、諸君の文化に深く
入り込むことはできない。しかし少なくともわれわれは喜んで学ぼうとしている。私の同....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
た。そして、これは今までにない重大任務だと思った。 「じゃあ、いつからあの城塞へ
入り込むつもりかね」 と、私が訊くと、白木はどうしたわけか、唇まで持っていった....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
と小間使は一塊の湿った土をあえて心にも留めないのであった。 「面倒臭いや、そこへ
入り込むと、畏らなけりゃならないから、沢山だい。」といって、片足を沓脱に踏伸ばし....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
「また夢か。」 いつまで続く、ともうげんなりして、思慮が、ドドドと地の底へ滅
入り込む、と今度は、戸棚の蔽が纏って、白い顔にはならない替りに、窓の外か、それと....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
。私のような考えを持った同じ独逸人がまだ沢山在ると見え、その目的で独逸人が印度に
入り込む者が段々多くなったそうです。それで近頃イギリスの官憲が斯ういう独逸人を間....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
すり紙をひろげて視線を一点に集めて姿勢を正せば、無念無想、そこにはなんらの雑念も
入り込む余地はない。 私にとっては画室は花のうてなであり、この上もない花の極楽....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
彼は自分の股肱としている横井弥兵衛を三人のあとに尾けさせて、かれらが塩冶の屋敷へ
入り込むのを見届けて、すぐにそれを主人に密告すると、師直の憤怒は一度に破裂した。....
「妖怪談」より 著者:井上円了
もさめても、常にこの金の帽子をいただいておりました。それゆえ、狐は頭からはついに
入り込むことができませぬようになりましたので、彼は大いに安心いたしておりました。....
「温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
は、第一日が神奈川泊り、第二日が藤沢、第三日が小田原、第四日に至って初めて箱根に
入り込むというのであるから、往復だけでも七、八日はかかる。それに滞在の日数を加え....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
五、六丁にして道は左の沢に入る。ここで早川の本流と別れて、この沢に沿うてなお深く
入り込む、岸が尽きて危うき梯子を懸けたところもある。渓の上にただ一本の木を橋に渡....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
でも登らば登らるべしとて、余らと同じ考え也。 塩谷温泉より数町下りて、左の沢に
入り込む。はじめの程は小さき平流なりしが、間もなく渓壑迫りて、薬研を立てたるよう....
「女の決闘」より 著者:オイレンベルクヘルベルト
って並んで歩き出した。女房の方が道案内をする。その道筋は軌道を越して野原の方へ這
入り込む。この道は暗緑色の草がほとんど土を隠す程茂っていて、その上に荷車の通った....