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入る
「入る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
入るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
の上。そこには横にいつの間《ま》にかこう云う文句が浮かび始める。――
「この門に
入るものは英雄となるべし。」
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こちらへ歩いて来る....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
いものだったかも知れない。が、憐みだったにもせよ、三十年後の今日さえ時々彼の夢に
入るものは未だにそれ等の場所ばかりである…………
信輔はもの心を覚えてから、絶....
「影」より 著者:芥川竜之介
《とっさ》に床《ゆか》へ這《は》うと、ノッブの下にある鍵穴《かぎあな》から、食い
入るような視線を室内へ送った。
その刹那に陳の眼の前には、永久に呪《のろ》わし....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
牧野は太い腕を伸ばして、田宮へ猪口《ちょく》をさしつけた。
「そう云われると恐れ
入るが、とにかくあの時は弱ったよ。おまけにまた乗った船が、ちょうど玄海《げんかい....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
さあ、年限はかまわないのですが、――しかしあなたをつれて行かなければ代りが一人
入るのです。あなたと同じ年頃の、……
小町 (興奮《こうふん》しながら)では誰....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
った後《のち》、慎太郎は大きな眼を明いたまま、家中《いえじゅう》の物音にでも聞き
入るように、じっと体を硬《こわ》ばらせていた。すると何故《なぜ》かその間に、現在....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、高い柏《かしわ》の梢《こずえ》に上って、遥か目の下の谷間の景色にぼんやりと眺め
入る事があった。谷間にはいつも彼の部落が、天《あめ》の安河《やすかわ》の河原《か....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
なぜ我我は極寒の天にも、将《まさ》に溺《おぼ》れんとする幼児を見る時、進んで水に
入るのであるか? 救うことを快とするからである。では水に
入る不快を避け、幼児を救....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
そうして、それとほとんど同時に、第二の私は丁度|硝子《ガラス》に亀裂《きれつ》の
入るような早さで、見る間に私の眼界から消え去ってしまいました。私は、夢遊病患者《....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
》えをしても、体中《からだじゅう》にかかった縄目《なわめ》は、一層ひしひしと食い
入るだけです。わたしは思わず夫の側へ、転《ころ》ぶように走り寄りました。いえ、走....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
は鳩や鴉の外に雀も縁側へ舞いこんだりした。それもまた僕には愉快だった。「喜雀堂に
入る」――僕はペンを持ったまま、その度にこんな言葉を思い出した。 或生暖かい曇....
「狂女」より 著者:秋田滋
かりの赤ン坊を亡くしてしまったのだった。 死と云うやつは、一たびどこかの家へ這
入ると、それから後は、もうその家の入口をすっかり心得てでもいるように、すぐまたそ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ル町へはいると、普通の家と軒を並べた、大きなギリシャ式の建物がある。戸を開けて這
入ると、玄関の正面には大きな石の廻り階段があって、その左右に室がある。室には、棚....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
人も知らず知らずのうちにみな取りつかれるのである。ひとびとが、この眠たげな地域に
入る前にいかにはっきり目をさましていたとしても、間もなくかならず空中の魔力を吸い....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
ちが紅葉を見に来るほか、何の取柄もないような村でありました。しかし百姓たちの村に
入るところに大きな河が流れて、その河には、秋になると、岩名や山魚が沢山に泳いでい....