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「入れ替り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

入れ替りの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
明暗」より 著者:夏目漱石
がすぐ彼女を支配し始めた。 車内のお延は別に纏《まと》まった事を考えなかった。入れ替り立ち替り彼女の眼の前に浮ぶ、昨日《きのう》からの関係者の顔や姿は、自分の....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
悶絶したあとでした。 「稚児の剣法、味をやるなッ。よしッ。俺が行くッ」 怒って入れ替りながら挑みかかったのは、先程取次に出て来た名もない門人でした。 「ちと荒....
足迹」より 著者:徳田秋声
目ぼしい家は、どこかで縁が繋がっていたので、それらの人々も、餞別を持って来ては、入れ替り立ち替り酒に浸っていた。山国の五月はやっと桜が咲く時分で裏山の松や落葉松....
旅愁」より 著者:横光利一
るので、思わずひやひやさせられているうちに、いつの間にか前の独断を破壊する抜文が入れ替り、新しい力で人を乗せて動いて行くのである。聞くまいとしても、ちくちく刺さ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
兄弟なれば、かく博く雑多の事を取り入れて書いた物を、かくまで多くの学者が立ち替り入れ替り研究して出す物どもを読むは、取りも直さず古今東西の人情と世態の同異変遷を....
十二支考」より 著者:南方熊楠
して王を招かしめた。さて妻が厨舎の門を閉づるとて燭を隠し出で往いた跡へ素早く馬が入れ替り居るとは白歯の似せ娘、馬をその妻と心得按腹する指先で男と判《わか》り、逃....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
、ラヂウム元帥は、命令した。 「はい、只今、つなぎます」 副官の声が引込むと、入れ替りに、ゴールド大使の、鼻にかかったなまめかしい声が聞えてきた。 「ああ、も....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
えて……」 百九十三 そこで道庵は、相知らずして、米友と入れ替りにこの家の客となったのです。 青嵐居士は道庵を庵室に招じ入れ、炉辺に茶....
ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
たから、おげんは同行の養子の兄と共に可成賑かなごちゃごちゃとしたところへ着いた。入れ替り立ち替りそこへ挨拶に来る親戚に逢って見ると、直次の養母はまだ達者で、頭の....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
アも片時として閉まっているひまがなかった。物見だかい連中がぎっしり群れをなして、入れ替り立ち替り押しかけたのである。一同がやって来る目あては、お棺のなかに寝てい....
私の青年時代」より 著者:山之口貘
、知人友人の所であったり、あるいは夜明けまで街を歩いてから、勤めへ出て行く友人と入れ替りにかれの部屋で一睡させてもらったりしていた。宇田川町の喫茶店は、暖房屋の....