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入れ違い
「入れ違い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
入れ違いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
なった。五人目の客は年の若い仏蘭西《フランス》文学の研究者だった。自分はこの客と
入れ違いに、茶の間《ま》の容子《ようす》を窺《うかが》いに行った。するともう支度....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
くど》からあるんだとさ。」
叔母は易者《えきしゃ》の手紙をひろげたなり、神山と
入れ違いに来た女中の美津《みつ》と、茶を入れる仕度に忙《いそが》しかった。
「あ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
《あと》を追って、やはり釘《くぎ》を撒《ま》くような燕の中を歩き出した。彼は娘と
入れ違いに噴井《ふきい》の側へ歩み寄って、大きな掌《たなごころ》へ掬《すく》った....
「少年」より 著者:芥川竜之介
も手に入った、心もち鼻へかかる日本語である。
「ありがとう。」
少女は宣教師と
入れ違いに保吉の隣りへ腰をかけた。そのまた「ありがとう」も顔のように小《こ》まし....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
移さず警察へ押収されたが、親分加藤吉蔵は既にお由殺しの有力な嫌疑者として、主任と
入れ違いに拘引されていたのであった。 やがて夜は明け放れた。世間は綻び初めた花....
「赤外線男」より 著者:海野十三
問答はそこで終ったのであった。 隅田乙吉が屍体を守って中野の家へ帰ってゆくと、
入れ違いに新聞社の一団が殺到して来た。 「とうとう、新宿の轢死美人の身許が判った....
「獏鸚」より 著者:海野十三
さに書いたのだよ。そして、或る間隔をとって、ムとが、丁度頃合いの間隔を保って互に
入れ違いになっているのだ」 「ほほう」私は帆村の熱心さに駭かされた。 「だが忌々....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
。二人はついにそれには気づかず、スタスタと雨の中に急ぎ足に出ていった。 それと
入れ違いに、受付の窓が開いて、看護婦が顔を出した。 「アーラ、やっぱり誰も居やし....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
の辺という名代の荒海、ここを三十|噸、乃至五十噸の越後丸、観音丸などと云うのが、
入れ違いまする煙の色も荒海を乗越すためか一際濃く、且つ勇ましい。 茶店の裏手は....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
ち、今日はおのずから閑なのである。 二人は此処でも後になり先になり、脚絆の足を
入れ違いに、頭を組んで白波を被ぐばかり浪打際を歩行いたが、やがてその大きい方は、....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
を訪問した。すると生憎運動に出られたというので、仕方がなしに門を出ようとすると、
入れ違いに門を入ろうとして帰り掛ける私を見て、垣に寄添って躊躇している着流しの二....
「妖影」より 著者:大倉燁子
応接室に入った時、
入れ違いに出て行った一人の紳士があった。 「あれは私の従兄なんですよ」 S夫人....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
は消え失せてどこにもない、という他愛のない筋を迎々しくしゃべったピエロが引込むと
入れ違いに、荒縄で縛られた狒々は土人にひかれてしおしおと足どりも乱れ勝ちに出て来....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
るがぬものになって行きました。 ある日、私がお湯殿から衣裳部屋へ入ろうとすると
入れ違いに、小さい者の影がお縁側の方へ走るのを見ました、公高でした。どうして母の....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
た飴を竹村にやって、 「ちょいと待っていてね」と百合子を残して竹村と部屋を出ると
入れ違いに光村博士が聴診器を首にかけたままで入って来た。百合子は軽く頭を下げてに....