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「入婿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

入婿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
一 お島《しま》が養親《やしないおや》の口から、近いうちに自分に入婿《いりむこ》の来るよしをほのめかされた時に、彼女の頭脳《あたま》には、まだ何....
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
の金を出さなければなるめえ、又預り証書があれば御息女のおいささんを女房に貰うか、入婿にでもなって幅を利かされても仕方がねえ身の上じゃねえか、貸したまえ、今千円の....
碧玉の環飾」より 著者:田中貢太郎
承諾して少女を媒婆にして結婚の式をあげるとともに、孫恪はそのまま女の家に居座って入婿となった。 そのうちに四年の歳月が経った。孫恪は某時、親戚の張閑雲という者....
蓮香」より 著者:田中貢太郎
桑を扶け起して侮らなかった。 母親は自分の兄弟に媒を頼んで、吉い日を選んで桑を入婿にしようとした。桑は家へ帰って蓮香に知らして燕児と結婚することについて相談し....
阿宝」より 著者:田中貢太郎
かないと言った。阿宝の父親と母親はとうとう女の言葉に従った。 阿宝の父親は孫を入婿にしようかどうかということを評議した。すると阿宝が言った。 「婿は久しく姑の....
黄英」より 著者:田中貢太郎
納はおもらいしません」 と言った。黄英は馬の家がきたないので、南の家におらして入婿のようにしようとしたが、馬はきかないで日を選んで黄英を自分の家へ迎えた。 ....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
葉子の家では以前町の大通り筋に塩物や金物の店を出していたこともあって、美貌の父は入婿であったが、商才にも長けた実直な勤勉家で、田地や何かも殖やした方であったが、....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。ピンと名をつけて、五年来飼うて居る。其子孫も大分|界隈に蕃殖した。一昨年から押入婿のデカと云う大きなポインタァ種の犬も居る。昨秋からは追うても捨てゝも戻って来....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
得ならぬにおい、というのは手製りの塩辛で、この爺さん、彦兵衛さん、むかし料理番の入婿だから、ただ同然で、でっち上る。「友さん腸をおいて行きねえ。」婆さんの方でな....
戯作者」より 著者:国枝史郎
取り合わなかった。その清廉の精神と堂々の風彩を見込まれて、蔦屋の親戚の遊女屋から入婿になるよう望まれたが、馬琴は相手にしなかった。 側眼もふらず戯作道を彼は精....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
のあげくにお父様を、あのような手段で非業に死なせ、お母様を誑かし、わたし達の家へ入婿になり……」 「おおなるほどそうなのかえ、そうして財産の隠匿場所を……」 「....
地上」より 著者:島田清次郎
は一つとして服従しない少年となったのも無理とはいえまい。やがて、一人の男がさらに入婿して来たのだ。その時は己ももう十三だ。己の心では姦夫姦婦の恥しらずめ! とい....
壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
昔からの定法で御座りまするで」と従者頭の中老人は答えた。 「それでは、この土地へ入婿に来たいものじゃ」 「それも駄目で御座りまする。他土地の者は、決して入れませ....
黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
可哀想だ……これもお菊の心を動かした。若旦那の又四郎は主人として別に不足もない。入婿という遠慮もあろうが、眼下の者に対しても物柔かで、ついぞ主人風を吹かしたこと....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
それ自身俘囚であると認められたに不思議はなかるべきである。後世にも和人がアイヌの入婿となって、その酋長として活躍した例もないではない。されば彼は中尊寺を建立し、....