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入室
「入室〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
入室の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
、茶の間の横を通って、次の六畳を、廊下へ廻らず抜けて来る。 磬《けい》を打って
入室相見《にゅうしつしょうけん》の時、足音を聞いただけで、公案の工夫《くふう》が....
「門」より 著者:夏目漱石
てまた宜道に伴れられて一窓庵へ帰って来た。 晩食《ばんめし》の時宜道は宗助に、
入室《にゅうしつ》の時間の朝夕《ちょうせき》二回あることと、提唱《ていしょう》の....
「夢十夜」より 著者:夏目漱石
る置時計が次の刻《とき》を打つまでには、きっと悟って見せる。悟った上で、今夜また
入室《にゅうしつ》する。そうして和尚の首と悟りと引替《ひきかえ》にしてやる。悟ら....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
人とも少し痩せて顔の色も大ぶ蒼白くはなっていたが、それでも元気で出て来た。 差
入室の一室でしばらくみんなで快談した。迎えられるものも迎えるものも大がいみな獄通....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
前に着いた宇津木兵馬。 へとへとに疲れて、慢心和尚に面会を申し入れると、無事に
入室を許されるには許されたが、 「何しにおじゃった」 例のブン廻しで書いたよう....
「草藪」より 著者:鷹野つぎ
て行った。 数日過ぎてからもう夕方に近いころ私の隣りに、肥満した可愛らしい娘が
入室した。それと共に私の名札とならんで、坂上とよ子の名札が、入口の扉の上に掲げら....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
ているのであろうか。 無名突撃隊 アーク号の船内に、「船長の許可なくして
入室を禁ず」と貼り紙をした部屋があった。中では、わあわあと、元気な人の声がしてい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に動き出したというのは、伊太夫の頭の中で動き出したのです。
「変な置物だ!」と、
入室の瞬間から印象されたところのものが、夢に入って再現したまでのことでして、これ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ない、鬼女としての小町、小町としての本性格は、これでなければならないと、お銀様は
入室の最初からその木像を愛しました。 ただ、気に入らないのは、床の間の一方に、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
手筈はととのっていたものらしい。 さて、本尊の住職はどうした。その夜、はじめて
入室を許されたお絹という女はどうした。これは、縛《いまし》めのうちに見えない。 ....
「我が宗教観」より 著者:淡島寒月
たろうか。その後森下町へ移ってから友人にすすめられて、禅を始めて、或る禅師の下に
入室した事もありました。とにかく自分も凝り性でしたから、その頃には自室で坐禅三昧....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
を望んだが、都合がつかなかったので、東大寺の勧学院に入れることにし西室と称した。
入室以来いっこう学問に身が入らず、実隆も心配しておったが十三歳のとき文殊講をやり....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
事をして銅鑼を打つ。会席では用意が整えられたしらせに銅鑼を打って、路次の待合客に
入室をうながす合図とする。それを打つには秘訣がある。呼吸がある。それで傍から父の....
「画室談義」より 著者:上村松園
たのではないかと思われそうなことをやっていますが、本人の私はとても真剣なのです。
入室厳禁の画室のことですから誰も見ていないので笑われはしませんが、だれか垣間見て....
「法然行伝」より 著者:中里介山
三年四月の八日にこの子を引連れて功徳院肥後|阿闍梨《あじゃり》皇円の許《もと》に
入室させた。 この皇円阿闍梨は、粟田関白四代後の三河権守重兼が嫡男であって、少....