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入山
「入山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
入山の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
のあの世、ひと足お山の寺領へ逃げ込めば、この世の罪は消滅、追っ手、捕《と》り手、
入山禁制のお山だ。この世を逃げても、せめてご先祖だけはいっしょにと、位牌を背負っ....
「草枕」より 著者:夏目漱石
ろに任せてぶらぶらするうち、ついこの石磴《せきとう》の下に出た。しばらく不許葷酒
入山門《くんしゅさんもんにいるをゆるさず》と云う石を撫《な》でて立っていたが、急....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
より享保八年まで連綿として人民が木租を納め来たった場所であるからと言って、自由に
入山伐木を許し、なお、木租の上納を免ずる代償として、許可なしに五木を伐採すること....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
る読者は、あの、紫の顱巻で、一つ印籠何とかの助六の気障さ加減は論外として、芝居の
入山形|段々のお揃をも批判すべき無法な権利を、保有せらるべきものであらねばならな....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
きましたが、囃がございますが、少し字詰りに云わなければ云えません、「桐生で名高き
入山書上の番頭さんの女房に成って見たいと丑の時参りをして見たけれども未だに添われ....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
を呼ぶべきものであろう。 ゴーリキーの小説『母』の中の母親や、拙作『布施太子の
入山』の中の太子の母などは、この種の道と法とに高められ、照らされた、母性愛を描い....
「四月馬鹿」より 著者:織田作之助
とを考えたり、雑誌を読んだり、客と雑談したりしているのだ。客のなかには文学青年の
入山もいる。なかなかの美青年で、やはり幾子に通っているらしい。いわば二人は心ひそ....
「日記」より 著者:宮本百合子
親というものは、実に、深い絶間ない愛を持って居るものだ。 倉田氏の「布施太子の
入山」を読む。動かされる。然し、太子が妃を自ら波羅門にくれてやる心持は、そして妃....
「おせん」より 著者:邦枝完二
ァ、一|度、半蔵松葉の粧おいという花魁を、小梅の寮まで乗せたことがあったっけが、
入山形に一つ星の、全盛の太夫を乗せた時だって、こんないい気持はしなかったぜ」 「....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
がある。 自然の姿となっている紀州那智山の秋海棠(太田馬太郎君寄贈) 不許葷酒
入山門 各地で寺の門に近づくと、そこによく「不許葷酒
入山門」と刻した碑石の建て....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
のは、件の若い者、捨どんなり。 手を懐にしたまま胸を突出し、半纏の袖口を両方|
入山形という見得で、 「寒いじゃあねえか、」 「いやあ、お寒う。」 「やっぱりそ....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
間は箔置にて、安国山と筆太に彫りたる額が掛っておりまする、向って左の方に葷酒不許
入山門とした戒壇石が建って居りまする。大門を這入ると、半丁ばかりは樹木は繁茂致し....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
大塔ノ宮よりは、三ツ下の二十一歳で、前年、兄宮が退いたあとをうけて、妙法院から
入山され、現在の天台座主として本院にいる。 もとより、皇子二人までを、山門の上....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
上に似た光景が見られるであろうか。其点だけでも私は神官の功労に対し、敢て三十銭の
入山料を払うに躊躇する者ではないが、今日は室堂へ立ち寄らないので其儀に及ばなかっ....