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入水
「入水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
入水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
相《そう》が見ゆる。あぶないことじゃ」 「殿のおたずねじゃ。つつまず言え。おのれ
入水《じゅすい》の覚悟であろうが……」と、下部は叱るように言った。 「わしは播磨....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
同人が小机在の僧侶の妻にして、夫の嫉妬のために左眼を傷つけられ、それが引いては、
入水の因をなせしこと明らかとなれり。そのうち、余の心は次第に幹枝に惹かれ行き、や....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
身をひそめていたのである。 祐道の陳述はこれで終った。次の問題はお北がどうして
入水《じゅすい》したかと云うことである。果たして自殺か、あるいは他殺か、いずれに....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
鯉を釣り損じて川に落ちたなどという出たらめをなぜ云ったのか。そうして、自分がなぜ
入水したのか。又かの怪しい女は何者か、その女と藤吉とのあいだに何かの関係があるの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、お節が刃物をたずさえて狂い出したのを見れば、彼女が夫の久兵衛を殺害して、自分も
入水したものと認めるのほかは無い。 検視の役人らもそう鑑定した。立ち会いの医者....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
るようであるが、容易にそれを予防し得ない。 心中もその宿を出て、近所の海岸から
入水するか、山や森へ入り込んで劇薬自殺を企てるたぐいは、旅館に迷惑をあたえる程度....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
と、今度の縁談に対する怨みと妬みとで、梅と桜とが主人を殺して、かれら自身も一緒に
入水して果てたものと認めるのほかはなかった。勿論、それが疑いもない事実であるらし....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
るため、放蕩にして軽薄なる、その夫判事なにがしのために虐遇され、精神的に殺されて
入水して果てたりし、一条の惨話を物語りつ。語は簡に、意は深く、最もものに同情を表....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
世中から深く深く私の胸に宿って居たことは事実でございました。『尊のお身代りとして
入水された時の姫のお心持ちはどんなであったろう……。』祠前に額いて昔を偲ぶ時に、....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
。他愛もない痴話喧嘩の果てに、思いもつかない殺人罪を犯したので、かれもおどろいて
入水したのではあるまいか。泳いで逃げたか、覚悟の身投げか、あれかこれかと考えてい....
「河童小僧」より 著者:岡本綺堂
られたまま投込まれたものと覚しく、色は蒼ざめ髪は乱れ、二目と見られぬ無残の体で、
入水後已に幾日を経たのであろう、全身腐乱して其の臭気|夥多しい、一同アッと顔見わ....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
聴き下さるでしょうね。いまの幕の間に、私は下手の舞台練習室に居りました。それは、
入水の際の廻転に馴れるよう、実は稽古して居たからなんです。と云いますのは、身体の....
「真鬼偽鬼」より 著者:岡本綺堂
にも血のあとがにじんでいるのを見ると、かれはまず伊八を殺害し、それからここへ来て
入水したものと察せられた。 「こうなると、わたくしの見たのもいよいよ嘘じゃありま....
「温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
であるが、容易にそれを予防し得ないらしい。 心中もその宿を出て、近所の海岸から
入水するか、山や森へ入り込んで劇薬自殺を企てるたぐいは、旅館に迷惑をあたえる程度....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
の中心たるをもって、その幅すこぶる大なり。暮天新月を望む。涼また船に満つ。 夕照
入水、万里檣頭月一弓。 (夕日は波に照り映えて、波もまた紅く、一望のうちに詩句を....