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入湯
「入湯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
入湯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
どこ》かに愛敬のあるもので、これは自然陰陽の道理で、男の方では女の肌へくっついて
入湯を致すのが、色気ではござりませんが只|何《なん》となくいゝ様な心持で、只今で....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
うどく》や疥癬《しつ》にいいということをきいたので、すぐその日、蓮台寺村に移って
入湯した。 翌二十一日の午後、ペリーの搭乗している旗艦《きかん》ポウワタン船《....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
尾の石は、高峰と称える場所の一部とか。尾の石から菱野の湯までは十町ばかりで、毎日
入湯に通うことも出来るという。菱野と聞いて、私は以前家へ子守に来ていた娘のことを....
「家」より 著者:島崎藤村
ら長い廊下を通る人が有った。隣室の客だ。林夫婦は師走の末に近くなって復た東京から
入湯に来ていた。 豊世と一緒に成った頃から、お種は髪を結う気も無く、無造作に巻....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
と申します。また泣入って倒れてしまう様に愁傷致すのも養生に害があると申しますが、
入湯致しましても鳩尾まで這入って肩は濡してならぬ、物を喰ってから
入湯してはならぬ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は、いつの世までも年貢お免《ゆる》しのところ、権現様《ごんげんさま》も湯の島へ御
入湯の時に御会釈《ごえしゃく》でござんした。たとえ罪人でもあの土地へ隠れておれば....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
浴から遠ざかっている事を遺憾に思っているが、といってわざわざ電車に乗って、大阪へ
入湯に行くという事は、今もなお億劫である。 昆虫の顔は皆ことごとく揃えの顔とわ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たことも事実であります。 好んで探偵眼を働かせるわけではないが、本来、この人は
入湯に来たのではなく、人をたずね求めに来たのであります。 そのたずね求める人と....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
能。いやもう、神のごとしとござりまして、所々方々から、彼岸詣のように、ぞろぞろと
入湯に参りまする。 ところで、二階家を四五軒建てましたのを今では譲受けた者がご....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
織ばかりを着ている。この坊主は時々居間その他の生花をする事も役である。また世子が
入湯をされる時は、湯加減その他風呂場の準備をする。それから世子の背を流したり、衣....
「山の湯雑記」より 著者:折口信夫
に低いから、真夏の今頃よりは、もっと涼風立って、農村の忙しくなった時分に、静かに
入湯に来たいものと考える。 をみなごの立ち居するどし。山の子に よきこと言ひて ....
「子を奪う」より 著者:豊島与志雄
くせ運動を少くさせながら――それが彼女の主義らしかった。そしてしまいには、二人で
入湯の旅に出かけることを夢想しだした。夢想……に違いなかった。いつまでも実現出来....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
はッきりしない物だからずいぶん飲んだはずだが、三千四百円には恐れ入った。チャンと
入湯もできるし、二ノ間もついているのですね。実に裏町の大豪遊でありました。 戦....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
積りました。大晦日にこれでは露天の商人がかわいそうだと、女中は赤い手をこすった。
入湯客はいずれも温泉場の正月をすごしに来て良い身分である。せめて降りやんでくれた....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
○ 明治四十一年七月四日(封書) 拝啓 また余計な事を申上て済みませんが小光
入湯の所は少々綿密過ぎてくだくだしくはありませんか。小光をも描かず小光と三蔵との....