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「入籍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

入籍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
食魔」より 著者:岡本かの子
京都の由緒ある大きな寺のひとり子に生れ幼くして父を失った。母親は内縁の若い後妻で入籍して無かったし、寺には寺で法縁上の紛擾があり、寺の後董は思いがけない他所の方....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の四人の外人は去年の三月四日に帰化していて、降矢木の籍に、算哲の養子養女となって入籍しているんだ。それにまだ遺産相続の手続がされていない。つまり、この館は未だも....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
問 いつ夫婦になったか。 答 明治四十三年十一月夫婦になりました。其翌年頃入籍いたしました。 あゝ、此の答えによると彼女は支倉が四度目の刑を終って出獄し....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
も係らず、子供が成長してから可哀想だという意味で、貰い子を自分達の真の子のように入籍して終うのだ。然し、それが果して真の子供を愛する所以であるかどうかは疑問だ。....
愚人の毒」より 著者:小酒井不木
を経ても子がなかったので、遠縁に当たる孤児の健吉くんをその三歳のときに養子として入籍せしめて育てたのであります。ところが皮肉なことに、健吉くんを養子とした翌年、....
」より 著者:島崎藤村
名倉の父の家へ、果してお雪が帰り得るであろうか。それすら疑問であった。お雪は既に入籍したものである。法律上の解釈は自分等の離縁を認めるであろうか。それも覚束なか....
」より 著者:徳田秋声
一 笹村が妻の入籍を済ましたのは、二人のなかに産れた幼児の出産届と、ようやく同時くらいであった....
死までを語る」より 著者:直木三十五
名は、安村宗一であった。善意に解釈すると、母の安村静が、長女であったが為、植村へ入籍できなかったせいであるが、悪意に考えると、何うも、父母は、公然と結婚したので....
」より 著者:金子ふみ子
つになる今までも無籍者なのであった。 母は父とつれ添うて八年もすぎた今日まで、入籍させられないでも黙っていた。けれど黙っていられないのは私だった。なぜだったか....
人間繁栄」より 著者:豊島与志雄
ことはあるかも知れません。そのことを承知の上で、そして生れた子供は自分の子として入籍するのを承知なら、すぐにでも結婚しましょう。不承知なら、私の方からお断りしま....
孤独者の愛」より 著者:豊島与志雄
て来て、叔母さんのところから女学校に通い、それから、若くて結婚したが、まだ先方へ入籍もすまさないうちに、夫は召集されて戦死してしまった。彼女は叔母さんの家に戻り....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
は御蔭で幸福であった。私は継配として迎える以上、正式に結婚するつもりであったが、入籍のことは晩香が固辞したのでそれに従った。晩香は己れを詐らず、極めて恭順な態度....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
していて、一人で豆をひいていたのだったが世話する者があって夫婦養子をしたところが入籍してしまってから養子たちは養母をひどくいじめだしたという近所の噂だった。その....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
は何も知らずにいらっしゃるのであるが、自分と進との間柄は今では名ばかりの夫婦で、入籍するの、しないのというような状態ではない。夫の進は一昨日家を出たなり今夜も多....
あの顔」より 著者:大倉燁子
ては、と、私は早速承知いたしました。すると、妾はただ引取ってもらうだけでは困る、入籍して相続人にしてほしいと申出たのです」 「なかなかのしっかり者ですね。勿論そ....