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入組
「入組〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
入組の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
その身の上も話しました。その方は不思議な事で、私とは敵のような中だ事も、いろいろ
入組んではおりますけれど、鼓ヶ嶽の裾の話は、誰にも言うな、と口留めをされました。....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
えその時まで私は気がつかないで居たくらいで。もっとも前晩、夜更けてからちと廊下に
入組んだ跫音がしましたっけ。こうやって時候が可いから、寂寞して入院患者は少いけれ....
「古狢」より 著者:泉鏡花
と言を掛けかねたろう。…… それだと、あすこで一杯やりかねない男だが、もうちと
入組んだ事がある。――鹿落を日暮方出て此地へ来る夜汽車の中で、目の光る、陰気な若....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
それが、どうしても先生に、所外まで御出で願いたいということなんで、実は、いろいろ
入組んだ事情もございまして、所内へ入るのは嫌だと仰有いますのですが……」 「よし....
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
農家がその間に散在してさらにこれを分割している。すなわち野やら林やら、ただ乱雑に
入組んでいて、たちまち林に入るかと思えば、たちまち野に出るというような風である。....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
ツも大勢を対手と云う証拠は有ません(荻)併し遺恨と云う証拠は(大)其証拠が仲々|
入組だ議論です気永くお聞を願います尤とも是ばかりは私しにも充分には分りません唯遺....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
川一つ向うは、もう南部領にでもなっているのではないか。仙台領と南部領とは、かなり
入組んでいると聞いたが、領分が違ってくると、これで自分の旅をする気分も相当に変え....
「芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
だ」と曲解することも出来るし「いえ、そんな事はすこしもなかったのだ。それこそ他に
入組んだ訳があって、結果があんなふうになってしまったのだ。」と打消すことも出来な....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
う、見込みがついたんで……」 「ついた、ついた、大つきだ」 「はてね」 「少々、
入組んでいるから、歩きながらじゃ、話もできまい」 「へい、心得ています。こんなこ....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
……それで、定太郎と里春はいったいどんな経緯《いきさつ》になっているんです。何か
入組んだことでもあるのじゃありませんか」 折目高《おりめだか》に袴を穿いた、尤....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
それから序《ついで》だから言ッときますがネ、聞けば昨夕《ゆうべ》本田さんと何だか
入組みなすったそうだけれども、そんな事が有ッちゃ誠に迷惑しますネ。本田さんはお前....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
それと繋がらない他の府県にも飛び飛びに弘く行渡っているうえに、方法と言葉の異同が
入組んでいるのは、何か一つの古い起りがあって、近年の流行ではないように思わせる。....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
栃木県の一部分にも、たしかまた草履を片足盗んで斬られたという話があり、顛末は少し
入組んでいたが、寺の名は長松寺とか何とかいっている。捜したらまだまだ見つかること....
「探偵小説の正体」より 著者:夢野久作
味を駆られて、閑潰しに創作し初めたものに萌芽しているという。だから出来るだけ筋を
入組ませて、出来るだけ読者の閑暇を潰せるように競争して書いたのが初まりだという説....