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入質
「入質〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
入質の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
って行った。そこに馴染の質屋があった。古着屋のような構えで、入口の陳列窓にいつか
入質《いれ》て流した靴が陳列されていた。野崎はん、今日は何|
入質《いれ》はるんど....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
たが、それはほんの一息である。本をことごとく売り払い、着物のいい物を、ことごとく
入質してしまった。 三十七 「うむ、何うも」 と、いうより外に、友人が....
「神棚」より 著者:豊島与志雄
久の着物二三枚と子供達の晴着三四枚と――俺は枚数をよく覚えてはいないが――それを
入質したまんま、もう六ヶ月も利子をためてた所が、来る三十日迄に利子を入れなければ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。もしそれが自分のことだったら、どれも皆何かの大事な思い出を帯びてる品物を一つ
入質するよりは、欠乏を我慢するほうが好ましかった。しかし今はクリストフのことであ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
金の必要ができて、上さんはコゼットの衣類をパリーに持って行き、モン・ド・ピエテに
入質して六十フランこしらえた。その金が無くなってしまうと、テナルディエ夫婦はその....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
に戦争まで起ったというムカデの茶器とかいう重宝のホンモノらしいものが十日ほど前に
入質されたが、それは現在は母里家に所蔵されているのが好事家間には分っているのだそ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
くなると、死んだ妻のことを思い出してなあ。嬶《おっかあ》、冥途から呼んで来い。綿
入質屋から歩いて来い」
南玉は、唄いながら、火種を取りに戻った。
「師匠は、呑....
「生きている戦死者」より 著者:牧逸馬
。百六十枚の質札が食堂の絨毯の下から出て来て、これはすべて被害者の所持品衣類等を
入質したものである。この方面から十四人の女の身許が判明している。大抵中以上の家の....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
、こちらがドロンをしてしまったのだった。 この時にことごとく蔵書とレコードとを
入質して流してしまったが、そのレコードの中に、盲小せんの「ハイカラ」、初代圓右の....