入込む[語句情報] » 入込む

「入込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

入込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旧主人」より 著者:島崎藤村
ある。お前が言う通り、桜井がこの節は毎日のように乃公の留守を附狙《つけねら》って入込むという証拠には、どうだ二人で出逢《であい》をしているところを乃公に見せては....
婦系図」より 著者:泉鏡花
れた、寝ン寝子を今時分。 藁草履を引摺って、勢の無さは埃も得立てず、地の底に滅入込むようにして、正面から辿って来て、ここへ休もうとしたらしかったが、目ももう疎....
無惨」より 著者:黒岩涙香
どが博奕打にしては衣服が変だよ博多の帯に羽織などは―(谷)ナアニ支那人の博奕宿へ入込む連中には黒い高帽を冠ッた人も有るし様々だ、夫に又アノ死骸を詳しく見るに手の....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
甲州街道をまだ禁菓を喰わぬアダム同様|無褌の真裸で横行濶歩、夜は何の様な家へでも入込むので、未だ曾て戸じまりをしたことがない片眼婆さんのあばら家まで、遽てゝかけ....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
狙う相手が一人で歩るく。情婦の棲家か賭博の打場か。又は秘密の相談場所だの。ソッと入込む息抜き場所に。近いあたりの道筋突き止め。かねて雇うた精神病医の。慾の深いを....
野道」より 著者:幸田露伴
野道 幸田露伴 流鶯啼破す一簾の春。書斎に籠っていても春は分明に人の心の扉を排いて入込むほどになった。 郵便脚夫にも燕や蝶に春の来ると同じく春は来たのであろう。....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
心得ていねばならぬのであった。そこでそれの便宜を得るには、勤王藩の首たる薩州邸へ入込むのがよいというので、幸にその邸内に水本保太郎というが漢学塾を開いていて、そ....
経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
なくなり、より少い出費で飼養されるであろう。粗生生産物がその価格の主要部分として入込むすべての貨物は下落するであろう。彼れの貨幣所得が増加されると同じ時に所得の....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
大阪からは高田実が行った。京都からは静間小次郎が行った。勿論、ほんとうの戦地まで入込むことを許可されないので、大抵は朝鮮か大連あたりから引返して来たらしいが、い....
仙人掌の花」より 著者:山本禾太郎
、元より兄や姉に聞くことも、はばかられ、また聞いて見たところで、京阪地方の人達が入込む、温泉の旅館町では、判りそうにも思われなかった。 明日は、二番で立つと云....
活人形」より 著者:泉鏡花
に附けたる鍵を奪いぬ。時に取りては千金にも勝りたる獲物ぞかし。これあらば赤城家へ入込むに便あり造化至造妙と莞爾と頷き、袂に納めて後をも見ず比企が谷の森を過ぎ、大....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
葉さえ飲み込んでしまって、唯|目容《まなざし》で応答をした。 お雪は毎夜路地へ入込む数知れぬ男に応接する身でありながら、どういう訳で初めてわたくしと逢った日の....