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全一
「全一〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
全一の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
ものではあるが、いつの時代にも決して永続する分家を出したことがない、いいかえれば
全一族は直系の子孫だけであり、ごく些細《ささい》なごく一時的の変化はあっても今日....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
に何ゆえに私はエゴイストでなければならないのだろうか。生命は知情意の統合されたる
全一なるものでなければならない。私が友を愛してるということは動かしがたき事実では....
「浚渫船」より 著者:葉山嘉樹
から、艀から、桟橋から、ここまでの間で、正直の処全く足を痛めてしまった。一週間、
全一週間、そのために寝たっきり呻いていた、足の傷の上にこの体を載せて、歩いたので....
「デカルト哲学について」より 著者:西田幾多郎
った如き神と自己との関係は、個が全を表現することが全の自己表現となることであり、
全一と個多との矛盾的自己同一的に事が事自身を限定することから世界が成立する、自己....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
小さな鼓動は十二打った、そして停まった。 「何だって」と、スクルージは云った、「
全一日寝過ごして、次の晩の夜更けまで眠っていたなんて、そんな事はある筈がない。だ....
「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
やなものは一体何かということを君達が聞きたがるなら、それはこの世の「わざわい」の
全一族だったと、僕は答えなければなりません。その中には、悪い「情欲の虫」もいまし....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
交友に急ぐ馳求の慾などが俗念であることが感じられて来る。それはその刻、その対象の
全一なる意と味とを取り逃がすことになる。 それは賢き人のとらぬ仕方であろう。 ....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
戸育ちのお侍で男振も好く小綺麗でございますから、猶更多助が厭で実に邪見にする事|
全一年、その間一つ寝もせず振付けられても、多助は辛い所を忍び/\て馬を引いて出ま....
「ミケランジェロの彫刻写真に題す」より 著者:高村光太郎
び精神の造型化にあらわれようとしている。われわれは一切を包摂し、融合して、進んで
全一のコスモス的美の世界像を創建せねばならぬ。人類の持つ高次の彫刻性に二あるわけ....
「ハイカラ考」より 著者:木村荘八
が掲載されていて、この日附は「明治三十四年十月四日」である。 滑稽なる日本
全一冊 彩色表紙 定価郵税共金二十銭 著者は「滑稽」の二字、我社会の総べてを形....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
な生活をしていますけれど人生を呪う気にはどだいなれません。それに反して人生がある
全一な、積極的な幸福なものでなければならないとの根本信念が私の心の底に日に日に育....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
それを日本に伝えたのはまだ印刷しない前の一切経は玄※僧正の将来であります。これが
全一切経の根本になります。シナでは勅修――陛下が勅して拵えられる一切経、一切経を....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
刊行会において翻刻せし鳥居清信が『四場居百人一首《しばいひゃくにんいっしゅ》』(
全一冊)は元禄六年の板にして、この珍書は日本演劇|並《ならび》に浮世絵研究者に取....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
して、ソマアセットシャアの邸をさして、ウマを走らせた、「あたかも、アイルランドの
全一揆に、追いかけられているかのように」 エリザベスは、いい忠告者、でなければ....
「海にふぐ山にわらび」より 著者:北大路魯山人
うようなものは、これらの最高美食の対象そのものが示唆するように、そこになんとなく
全一的な完了味を、その本来の味わいとするのではなかろうか。美食感覚へのこのすこしばかりの実証。 (昭和六年)....