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「全力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

全力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十円札」より 著者:芥川竜之介
こう云う場合には粟野さんに対する礼儀上、当惑《とうわく》の風を装《よそ》うことに全力を尽したのも事実である。粟野さんはいつも易《やす》やすと彼の疑問を解決した。....
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
じている事が出来ましょう。 閣下、私は一昨日、学校も辞職しました。今後の私は、全力を挙げて、超自然的現象の研究に従事するつもりでございます。閣下は恐らく、一般....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
事務を執《と》りながら、気違いになるくらい痒《かゆ》い思いをした。とにかく当分は全力を挙げて蚤退治《のみたいじ》の工夫《くふう》をしなければならぬ。…… 「八月....
或る女」より 著者:有島武郎
ちっともわからない。僕は兄が彼女を選んだ自信に驚く。しかしこうなった以上は、兄は全力を尽くして彼女を理解してやらなければいけないと思う。どうか兄らの生活が最後の....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
よりも大きく賢くなって、寝床の中から跳り出して来い。私は私の役目をなし遂げる事に全力を尽すだろう。私の一生が如何《いか》に失敗であろうとも、又私が如何なる誘惑に....
片信」より 著者:有島武郎
働運動は労働者の手に委《ゆだ》ねて、僕は自分の運動の範囲を中流階級に向け、そこに全力を尽くそうとするだろうというまでだ。そういう覚悟を取ることがかえって経過の純....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
きたるように微黯《ほのぐら》き月影を宿せり。 白糸の眼色《めざし》はその精神の全力を鍾《あつ》めたるかと覚しきばかりの光を帯びて、病めるに似たる水の面《おも》....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
又天使のように清浄でもない。私は人間のように人間的だ。私の今のこの瞬間の誇りは、全力を挙げて何の躊躇もなく人間的であるということに帰する。私の所に悪魔だとか天使....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
負でありました。ところがヒットラーがドイツを支配して以来、ドイツは真に挙国一致、全力を挙げて軍備の大拡充に努力したのに対し、自由主義の仏英は漫然これを見送ったた....
新日本の進路」より 著者:石原莞爾
相携えて民族平等なる平和世界を建設せんと努力したるもの、支那事変や大東亞戰爭には全力をあげて反對したのである。 東亞連盟の主張は、經濟建設の面においても一の新....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
この通信に加味されているか否かは、興味ある研究課題である。私としては、その防止に全力を尽した。最初は筆記が遅く、肉眼で文字を見送る必要があったが、それでも、盛ら....
取舵」より 著者:泉鏡花
間を無事に保たば、安危の間を駛する観音丸は、恙なく直江津に着すべきなり。渠はその全力を尽して浪を截りぬ。団々として渦巻く煤烟は、右舷を掠めて、陸の方に頽れつつ、....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
議論に加わって、感情に走るのを好まなかったためでもあろうが、主として自分の発見に全力を集めるためであった。 食事に招かれても行かないしをもうけた。これでいかに....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
貫目錨を投じたる程の水音にて、船は為めに揺られて上下せり。 これと同時に、敵は全力を振いて、延し始めたれば、素より覚悟のこととて、左右三指ずつにて、圧を加えな....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
加し、且つ戦闘員は個人を単位とす。即ち各人の能力を最大限に発揚し、しかも全国民の全力を用う。 三 しからばこの戦争の起る時機いかん。 ※ 東亜諸民族の団結、即ち....