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「全天〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

全天の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ねた雲の峰が見る間に崩れ落ちたり、濃いインキの一点を天の一角にうった雲が十分間に全天空を鼠色に包んだり、電を閃かしたり、雹を撒いたり、雷を鳴らしたり、夕立になっ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
くであろう。完全なる幸福は、天使をも参与させるものである。その小さな暗い寝所は、全天空を天井としている。愛に聖《きよ》められた二つの脣《くちびる》が、創造のため....
方則について」より 著者:寺田寅彦
なければならぬはずである。少なくも吾人の科学に信拠すればそうなるはずである。また全天体の片隅で行われているあらゆる変化は必ず吾人の身辺にも幾分の影響を及ぼしてい....
暗黒星」より 著者:黒岩涙香
誰も知る所である。日頃は赤く美しく見える。 この夕映えが燃える火の如き凄まじさで全天に広がった。 それが為に日没後の明るさが常の真昼の明るさと似寄っている。 五....
三国志」より 著者:吉川英治
い綿を浮かべたようなものが漂って来た。やがて、疾風雲のように見る見るうちにそれが全天に拡がって来たかと思うと、 「いなごだ。いなごだ」 百姓は騒ぎ始めた。 ....
」より 著者:中谷宇吉郎
、俗にはうす雲と呼ばれている。白色をしており、その形態は淡い扁平なもので、時には全天を覆い単に乳白色を示すこともあり、また時には乱れた蜘蛛《くも》の巣《す》状の....