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「全幅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

全幅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:ゴーゴリニコライ
って御通告申しあぐるを小生の義務と存ずる次第に御座候。 さりながら、貴女に対し全幅の敬意を捧げつつ、貴女の忠順なる下僕たることを光栄と存じ候。 プラトン・コ....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
も、何しろ日本の作家達は西洋を真似るのに非常に性急です。それから、体力や精神力に全幅的な大きさが無い。従って一部分を概念的に真似るに過ぎないんですね。」氏は斯う....
蘆声」より 著者:幸田露伴
安らかな顔をして、竿を挙げてこちらへやって来た。はじめてこの時少年の面貌|風采の全幅を目にして見ると、先刻からこの少年に対して自分の抱いていた感想は全く誤ってい....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
だろう」 「脅かすな」 とセルカークは心細そうに笑って、 「頼むよ。俺は君に、全幅の信頼をかけている」 「マアね、君を燃やすことは万が一にもあるまいが……、と....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
を、人の心から剪除せんことである。要するにわれ等の使命は、神と神の使徒に対して、全幅の信頼を置くべく、魂達を指導することである。 旧神学に従えば、そこに一人の....
肝臓先生」より 著者:坂口安吾
めの足の医者として自ら心に期している人であるから、このモウケのない制度にマッ先に全幅の協力を惜しまなかった。したがって、先生の患者はたいがい国民健康保険のモウケ....
巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
見るとごく軽微に眇になっている。その瞳が動くとき娘の情痴のような可憐ななまめきの全幅の諧調を会得するようになったのだ。人間にあってうめかずにいられないところのも....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ぬまでは何食わぬ顔、ただ生命を保つ工夫にこれ努める心底をヒレキしてユーレイ防止に全幅の努力を払わなければならない。 そこで、さア死んだとなると、忙しいな。ここ....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
我が兄弟健在なれ! 勝利を神に祈れ! 教主マホメットの威徳を我らに体得せしめよ!全幅の敬意を我らは捧ぐ! 唯一なる神よ! 謀叛人を許すなく、マホメットの使徒に行....
桜の園」より 著者:神西清
の家を去るに臨んで、果して口をつぐんでおられましょうか。告別のため、今わたくしの全幅を領している感慨を、ここに吐露せずにおられましょうか…… アーニャ (哀願す....
高原の太陽」より 著者:岡本かの子
の花むらであった。陽は午後の円熟した光を一雫のおしみもなく、その旺溢した黄金色の全幅にそそぎかけている。青年は画家が真に色彩を眺め取る時に必ず細める眼つきを、そ....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
や一知半解ながらも多少|窺った外国小説(その頃ゾラやドウデも既に読んでいた)でも全幅を傾倒するほどの感に打たれるものには余り多く出会わなかったから、私の文学に対....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
多の遠近の涼み台の群れを模糊として描き、京の夏の夜の夢のような歓楽の軟かい気分を全幅に漲らしておる。が、惜しい哉、十年前一見した時既に雨漏や鼠のための汚損が甚だ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
、生の元つ泉へと この心があこがれるなあ。 尨犬。そんなにうなるな。今己の心の全幅を領している 神聖なる物の音には、 獣の声では調子が合わない。 人間が自分の....
忘れられたる感情」より 著者:小川未明
あって、既に忘れてしまった感情や、また、或時、ある事件に対して、刹那ながらも心の全幅を掩うた感覚や、また、もはや忘れられんとして時々、頭の中に顔を出して来るよう....