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全廃
「全廃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
全廃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二十世紀旗手」より 著者:太宰治
その日より今にいたるまで、なかなか解止せず、いつの間にやら衣紋竹《えもんだけ》を
全廃していた。なるほどな、とそのときはじめて気づいたことだが、かの衣紋竹にぞろっ....
「鰊漁場」より 著者:島木健作
であった。水産試験場の発表には今年は鰊の※衆共を喰って埋めあわすばかりだと九一金
全廃の腹をきめれば、帳場の奴がとんだどじを踏んでこんどの騒ぎになるし、何一つとし....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
対策を断行すべきことを強く提案致します。官憲の大整理、都市に於ける中等学校以上の
全廃(教育制度の根本革新)、工業の地方分散等により都市人口の大整理を行ない、必要....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
はそのことを半蔵にきいた。 「お前は今度のお達しをよく読んで見たかい。参覲交代が
全廃というわけではないんだね。」 「お父さん、
全廃じゃありません。諸大名は三年目....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
店自身が売上げに対する営業費の負担増加に苦しみつつあるのですが、私の店ではこれを
全廃しています。その動機としてもちろん経営の合理化による営業費節減の目的もあるに....
「嘘の効用」より 著者:末弘厳太郎
みることができます。例えば、一九一八年九月一六日のロシヤ法律においては養子制度の
全廃を規定しました。そうしてその理由書には「親子法においては、われらの第一法典は....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
る多くの風教団体がフランスの不名誉として賭博税を、また人道の不名誉として賭博場の
全廃を、あらゆる精力を費して叫んで来たが一向行われ無い。寧ろカジノは国内に増すば....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
聞いたことがあるが、困ったところで泥濘が往来に存在している間は仕方がない。和服が
全廃されない限りは仕方が無い。私は少々な雨なら雪駄で辛抱するが、大降になって来る....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
に、弁当や菓子などを場内でも売らせていた。この座の特色としては、在来の男の出方を
全廃して、場内の案内や食物の世話などは、すべて若い女に扱わせていたのである。これ....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
て行く。勿論、今日では其仕掛に多少の改良は加えられたが、天然の地形は未だ畚渡しの
全廃を許さぬ。飛騨の奥ふかく迷い入る人は、大切な生命を一個の畚に託して、眼も眩む....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
ければ、他の者が。まあお待ちなさい、左様今に遙か遠き未来に、監獄だの、瘋癲病院の
全廃された暁には、即ちこの窓の鉄格子も、この病院服も、全く無用になってしまいまし....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
糾を生じたるが、結局松竹が手を引くことになりて和解す。それと同時に座附の芝居茶屋
全廃論も出でたるが、未解決に終れり。 ○十月二十六日より二日間、帝国劇場にて自由....
「遠州地方の足洗」より 著者:喜田貞吉
にして、幕府時代に在ては人民皮細工・草履細工を業とせしが、明治の初年頃従来の業を
全廃し、みな農業に就き、婦女子は織業を営み、一般民と通婚行はれ、完全に融和されて....
「特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
すべきは、まず何々部落という総括的名称の下に、彼らに対して集団的取扱いをなす事を
全廃するのにあると信ずる。 熱心なる読者諸君から余輩に寄せられた多くの意見の中....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
宿主義時代に全国民が綜合能力を最高度に発揮せしむる主旨に合しない。中等学校以上は
全廃、今日の青少年義勇軍に準ずる訓練を全国民に加え、そのうち、適性のものに高度な....