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全形
「全形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
全形の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
で、技手は私に、暴風雨の前の雲――例えば広濶な海岸の地方で望まれるようなは、その
全形をこの信濃の地方で望み難いことを話してくれた。その理由としては、山が高くて、....
「東京八景」より 著者:太宰治
、奇蹟を見るような気さえした。 今では、此の蚕に食われた桑の葉のような東京市の
全形を眺めても、そこに住む人、各々の生活の姿ばかりが思われる。こんな趣きの無い原....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
翌年一月の初めに二個の破片を発掘したが、この三個の破片を合せて見ると、一の円柱の
全形をなし、その高さは二メートル二十サンチ、その周囲は上部において一メートル六十....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
を何にでも変じ得。さて六十年間人に見られず犯されずば、ユクハ(ペルシア名)となり
全形をどんな人また畜にも変じ得と。天文元年の著なる『塵添※嚢抄《じんてんあいのう....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
れるぞ。) と手伝を払って、しっかとその処へ据直す。 (立野さん。貴下は革鞄の
全形と折重って、その容量を外れない範囲内にお立ち下さい。縫子が私の妻として、婚礼....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
ちら見た。峠の上では急いでスケッチもした。女阪峠を上る時も片鱗はいく度も見たが、
全形を眺むることは出来なかった。 精進を過ぎ本栖を発足って駿甲の境なる割石峠の....
「古事記」より 著者:武田祐吉
のである。傳來の形にしても、從來ある一部の人によつて信じられていたように、現在の
全形で古くから語り傳えられていたものでは無いことがわかる。 古事記の内容は、天....