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全快
「全快〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
全快の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
の病気はなおるどころか悪くなるばかりだ(それは葉子もそう思っていた。葉子は貞世を
全快させてやりたいのだ。けれどもどうしてもいびらなければいられないのだ。それはよ....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
てしまった。
愈々《いよいよ》H海岸の病院に入院する日が来た。お前たちの母上は
全快しない限りは死ぬともお前たちに逢わない覚悟の臍《ほぞ》を堅めていた。二度とは....
「外科室」より 著者:泉鏡花
夫人の面は蒼然《そうぜん》として、 「どうしても肯《き》きませんか。それじゃ
全快《なお》っても死んでしまいます。いいからこのままで手術をなさいと申すのに」 ....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
》が障《さわ》ると第一番に次作兄《じさくあに》いという若いのの(りょうまちす)が
全快、お苦しそうなといって腹をさすってやると水あたりの差込《さしこみ》の留《と》....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
拝んだと思うと、我に返ったという。 それから熱が醒めて、あの濡紙を剥ぐように、
全快をしたんだがね、病気の品に依っては随分そういう事が有勝のもの。 お前の女に....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
が開けてからも二月ばかり病気びきをして、静に療養をしたので、このごろではすっかり
全快、そこで届を出してやがて出勤をしようという。 ちょうど日曜で、久しぶりの郊....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
病気に罹ったのはその人の弟で、君がせっかく訪ねて来てくれたが、本人はもうスッカリ
全快して官吏候補となり某地へ赴任したと語り、大笑いして二冊の日記を出した。これを....
「薬」より 著者:井上紅梅
咳嗽はじめた。 「お前の家の小栓が、こういう運気に当ってみれば、あの病気はきっと
全快するにちがいない、道理で老栓はきょうはにこにこしているぜ」 と胡麻塩ひげは....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
ぎに来りしが病に罹りて九死一生となり、路用も遣い果して難渋窮まりしを伯父が救いて
全快させしうえ路用を与えて帰京させたれば、これを徳として年々礼儀を欠ず頼もしき者....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ード伯と呼ぶことになった。一時、病気の重かったときにも、貧民が多勢で教会に行って
全快の御祈りをするというような、非常な人望であった。十一年振りで英国に帰ったが、....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
のある明神様だとか、観音様などを、それからそれへと、いくつも並べ唱えては、老人が
全快に向うことを祈った。しかしその効目はすこしも現れて来る模様がなかった。もしや....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
の病人あり。その重病のものの死生をたずねたれば、『死すべし』と答え、軽症のものの
全快をたずねたれば、『不日に平癒に帰すべし』と答えたり。そのつぎに、私もコックリ....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
イトイエバ重イ、軽イトイエバ軽イ、ドチラニモナリマスノデ、カノ本復スルカト思エバ
全快スノ方ノ組デス、当所へ参リマス前、凡ソ半年ホドヲ鵠沼ニ辛棒シテオリマシタガ、....
「西航日録」より 著者:井上円了
りてはや今頃は蛍狩さるに此地は雪風ぞ吹く へースティングズ滞在一週間にして病気
全快し、いよいよ欧州大陸旅行の途に上る。 四月二十四日、早朝へースティングズを....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
僕には耐え難い。この先どういうことになって行くか、てんで判らぬ。フェーリングは、
全快とまでは行かないにしろ、次第によい方へ赴くだろうというのだが。――実際たびた....