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「全校〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

全校の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
校の廊下を、紅色の緒のたった、襲裏の上穿草履で、ばたばたと鳴らしたもので、それが全校に行われて一時物議を起した。近頃静岡の流行は、衣裳も髪飾もこの夫人と、もう一....
朱日記」より 著者:泉鏡花
おらぬか、とさて瞻めたもので。――風に紛れて針の音が全く聞えぬ。 そう言えば、全校の二階、下階、どの教場からも、声一つ、咳半分響いて来ぬ、一日中、またこの正午....
自叙伝」より 著者:大杉栄
いい声で、その郷里の白虎隊の詩を吟じた。 そして校長がいよいよ出発する時には、全校三百余の生徒が、校長の橇を真ん中にして降り積る雪の中を七里の間、新潟まで送っ....
画の悲み」より 著者:国木田独歩
ほど腕白者は同級生の中にないばかりか、校長が持て余して数々退校を以て嚇したのでも全校第一ということが分る。 全校第一腕白でも数学でも。しかるに天性好きな画では....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
三年の群れからライオンとあだ名された木俣という学生がおどりだした、木俣といえば全校を通じて戦慄せぬものがない、かれは柔道がすでに三段で小相撲のように肥って腕力....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
したのだった。 学校では毎朝、エイヤエイヤと号令かけながら冷水摩擦が行われた。全校の生徒が運動場にずらりと並んで上半身裸になり、手拭で皮膚を赤くした。小さい子....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
あった。 美代子が附属の女学校へあがったころ、ヤス子は大学英文科評判の才媛で、全校の女王のような存在であった。美代子はチンピラ組の女王であったが、かねて大女王....
町内の二天才」より 著者:坂口安吾
いてりゃ、バックのエラーで負けるのは仕方がねえ。長助は中学二年生だ。二年ながらも全校の主戦投手じゃないか。その上に三年生というものがありながら、長助のピッチング....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ころ、家の店の者が心配して提灯をつけて迎えに来てくれた。そんなに大事にされたのは全校で私ひとりだった。 迎えで思い出すのは尾道に養女に行ってる種子姉が秋の祭り....
火の扉」より 著者:岸田国士
の優越感と、おやじが陸軍大佐だつていうことを妙に鼻にかけるところがあつた。それが全校の生徒の反感を買つて、きようの結果をみたんだ」 「その点はおゝいにあるね。第....
アラメダより」より 著者:沖野岩三郎
ミチーという文字をきざんだ星形の徽章をくれる。これを胸にかけている生徒の命令は、全校の生徒が必ず服従しなければならない。ただに学校内ばかりではない。この十歳の少....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
って、幼年から少年までを収容して、健全剛毅なる教育をほどこすのである。 されば全校の気風は勇気にとみ、また慈愛と友情にあつく、年長者は年少者を、弟のごとく保護....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
年五月十四日の真昼のことである。我々四年生が主謀者となって、前橋中学の生徒控室で全校生徒の同盟休校を決行した。折りしも三十有余年前の五月半ばの校庭には、葉桜と欅....
母と娘」より 著者:岡本かの子
女を其の父の位の通りアグネス中尉閣下と囃した。卒業する年には持って生れた統帥力は全校八百の総指揮を鮮やかにやってのけて顧問の現役陸軍士官に賞讃された程だった。卒....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
倒れたというあの東京専門学校時代からの記念的建物だった当時の大講堂に、幾回も私達全校の学生を集め、あの巨体を前後左右に振り廻し、あの独特の大きな両眼をぎろつかせ....