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全町
「全町〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
全町の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白」より 著者:芥川竜之介
、箱根《はこね》方面へ逸走《いっそう》した。小田原署はそのために非常動員を行い、
全町に亘《わた》る警戒線を布《し》いた。すると午後四時半ごろ右の狼は十字町《じゅ....
「機械」より 著者:横光利一
よりいやすくなると暫くして、仕事が急激に軽部と私に増して来た。ある市役所からその
全町のネームプレート五万枚を十日の間にせよといって来たので喜んだのは主婦だが私た....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
だ十五騎が持ち込んだものに違いありますまい。事の体《てい》をよく見ると、どうやら
全町を挙げて家探《やさが》しが行われているようです。 騒ぎ、驚き、怖れ、憂えて....
「雷」より 著者:海野十三
いったものだった。 ゴロゴロピシャン! と鳴るうちはまだよかった。やがて雷雲が
全町を暗黒の裡に、ピッタリと閉じ籠めてしまうと、ピチピチピチドーン、ガラガラとい....
「空襲警報」より 著者:海野十三
ているかもしれない……」 町いったいは、申分のない非常管制ぶりだった。直江津の
全町は、まったく闇の中に沈んでいた。旗男は、この町の防空訓練のゆきとどいているこ....
「長崎の印象」より 著者:宮本百合子
府にいる時既に知人から流行の天然痘予防の注意を受けていた。臼杵へ行くと、そこでは
全町民強制種痘をしたという。まして、長崎へ行くのなら危険此上ないというK氏の言葉....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
★ この温泉町にも、社会健康保険制度が施行されることになった。
全町民加入の国民健康保険組合である。 先生はこの町のための足の医者として自ら心....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
足であると言わねばならない。例えば上州前橋の片原饅頭である。三十年前までは片原町
全町を挙げて饅頭屋であった、片原町に行って見ると朝早くから軒並に湯気を立てていて....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
「そんなことは俺に訊いたってわからねえ。聞けばお渡御のすむ一刻ほどのあいだは、
全町まっ暗にしてしまうということだが、そんな暗闇の中で斬ってかかれるわけのものじ....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
した。伊勢崎は同じ銘仙一点張りで進んでいますが、これに対し桐生は何でも作ります。
全町これ機屋といいたいほど仕事は盛であります。これに続くのは足利で、織機の音はせ....