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全知
「全知〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
全知の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年」より 著者:芥川竜之介
笑いながら、「いいえ」と云う代りに首を振った。保吉は勿論不平だった。しかし彼女は
全知である。云わば Delphi の巫女《みこ》である。道の上の秘密《ひみつ》も....
「人間失格」より 著者:太宰治
自分を、おびえさせました。ほとんど完全に近く人をだまして、そうして、或るひとりの
全知全能の者に見破られ、木っ葉みじんにやられて、死ぬる以上の赤恥をかかせられる、....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
とするなら、ここに事件は意想外な方向への急転直下を始めかけましたので、捕物名人の
全知全身は急激に緊張の度を加えて、見るまに両のまなこがらんらんと活気を帯びてまい....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の抜粋を試みようと思う。 ティコはこう言った。『星の影響を否定する者はまた神の
全知と摂理を抗議するものでもあり、また最も明白な経験を否認するものである。神がこ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
頭は良いのです。皆さんを見ると、みな秀才のような顔をしております。断然われわれの
全知能を総動員してドイツの科学の進歩、産業の発達を追い越して最新の科学、最優秀の....
「ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
に意気地なく屈してきた。ウィルスンの気高い性格と、尊厳な叡知と、一見遍在していて
全知全能であるように思われることとにたいして、自分の常にいだいていた深い畏怖の情....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
〇〇の内容を、夫々の性質は幾つかずつ分け占めていると考えられる。かくて例えば神は
全知全能という特質によってその内容の大部分を分け占められると考えられる。併し或る....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
有っているので、まだ完全な神秘的神聖味を有つまでには至っていない、その権威はまだ
全知全能性を有たないのである(帝政ロシアのツァールやローマ教皇も之が個人的意志の....
「辞典」より 著者:戸坂潤
を書き、認められてラインホルトの後を襲ってイェナ大学の教授となる。翌九四年大著『
全知識学の基礎』(Grundlage der gesamten Wissensc....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
られるというのである。つまり農村の窮迫は都市の責任だというのである。読者は陸軍の
全知能を傾けて帰納した結論として、この断案を尊重することが国防上必要だということ....
「物理学実験の教授について」より 著者:寺田寅彦
は一見生徒の前に自分の無知を表白するように見える。ことに中学程度の生徒には教員の
全知全能を期待するような傾向があるとすれば、なおさら教員の立場は苦しい訳であろう....
「小知恵にとらわれた現代の法律学」より 著者:末弘厳太郎
よいよ本式に作曲家の作ってくれたものを歌ってみると、なかなか実際上作曲家が自分の
全知をふるって考えだした歌が舞台の実際に合わないことが出てくる。役者が実際の場に....
「審判」より 著者:カフカフランツ
の銀行の行員だが、同僚というわけでなく、同僚などというのはおおげさな話で、監督の
全知全能ぶりにはすきがあることを示しているのだったが、ともかく彼らは銀行の下っ端....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
臣下として、国家の叙任を受けた幾千幾万の官吏によってその臣下を支配しようとする、
全知全能の国家の政権獲得を夢みている。ルイ十四世もロベスピエールも、またナポレオ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ァウスト
ふん。君は探偵が道楽だと見える。
メフィストフェレス
わたしは
全知ではないが、大ぶいろんな事を知って居ますよ。
ファウスト
あの恐ろし....