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全知全能
「全知全能〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
全知全能の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
自分を、おびえさせました。ほとんど完全に近く人をだまして、そうして、或るひとりの
全知全能の者に見破られ、木っ葉みじんにやられて、死ぬる以上の赤恥をかかせられる、....
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
終《しじゅう》靄《もや》のようにかかって、私の心を苦しめている。 もし世の中に
全知全能《ぜんちぜんのう》の神があるならば、私はその神の前に跪《ひざま》ずいて、....
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
とを得るのである。道徳的要求より神の存在を証明せんとするのは、尚更に薄弱である。
全知全能の神なる者があって我々の道徳を維持するとすれば、我々の道徳に偉大なる力を....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
……すべては脳髄の思召しなのだ……。
科学の発見した脳髄こそ、現実世界に於ける
全知全能の神様なのだ」
……と……。
当時の基督教の迷信と僧侶の堕落腐敗に....
「ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
に意気地なく屈してきた。ウィルスンの気高い性格と、尊厳な叡知と、一見遍在していて
全知全能であるように思われることとにたいして、自分の常にいだいていた深い畏怖の情....
「フロレンス・ナイチンゲールの生涯」より 著者:宮本百合子
には匙がいると考えて、それを手に入れたと同様の解釈をしている。彼女によれば、神は
全知全能であるから、唯一つであるその神と同じものをいくつも創れない、ために神は常....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
〇〇の内容を、夫々の性質は幾つかずつ分け占めていると考えられる。かくて例えば神は
全知全能という特質によってその内容の大部分を分け占められると考えられる。併し或る....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
有っているので、まだ完全な神秘的神聖味を有つまでには至っていない、その権威はまだ
全知全能性を有たないのである(帝政ロシアのツァールやローマ教皇も之が個人的意志の....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ジアス・クリングといって、ワグナーに関する一辞典――ワグナー辞典――をこしらえ、
全知全能なる師の思想を一瞬間に知り得る方便とした。それが彼の畢生《ひっせい》の大....
「物理学実験の教授について」より 著者:寺田寅彦
は一見生徒の前に自分の無知を表白するように見える。ことに中学程度の生徒には教員の
全知全能を期待するような傾向があるとすれば、なおさら教員の立場は苦しい訳であろう....
「日記」より 著者:宮本百合子
長すると、必ず失望と同時の批判的傾向を助長させる。それを見て、親は必死に、親心の
全知全能を承認させようとし、子は、同じ力の反動で、それを否定し、虚偽や、利己心や....
「その人を知らず」より 著者:三好十郎
私たちの救い主でいらっしゃいます。あなたは天と地の主でいらっしゃいます。あなたは
全知全能の神でいらっしゃいます。あなたのおぼしめしがなくては、野原の小さな花も咲....
「審判」より 著者:カフカフランツ
の銀行の行員だが、同僚というわけでなく、同僚などというのはおおげさな話で、監督の
全知全能ぶりにはすきがあることを示しているのだったが、ともかく彼らは銀行の下っ端....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
臣下として、国家の叙任を受けた幾千幾万の官吏によってその臣下を支配しようとする、
全知全能の国家の政権獲得を夢みている。ルイ十四世もロベスピエールも、またナポレオ....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
る力こそ、取り給いしにより与え給うわれらの神、そのみ業のつねに賛美せられ給うべき
全知全能のおん父より出ずる力ではございますまいか。地上において神より愛される村や....