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「全裸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

全裸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
た。洗い髪、二十一、二のいかさま鉄火ものらしい若い女がなやましくもすべすべとした全裸体を惜しげもなくそこへさらしながら人魚のごとく長々と横たわって、むっちりと盛....
深夜の市長」より 著者:海野十三
て、自分の身体をもって僕をドーンと室内へつきとばした。僕は衣服の上から露わに女の全裸身を感じた。そこは一台の円い卓子と二脚の壊れかかった肘掛椅子とがあるっきりの....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
は、発達した裾野を有するところの、富士火山帯に多くあらねばならない。それから山の全裸体像として、線や、光や、影や、円味やを研究するのに、富士ぐらい秘密を許してく....
薬草取」より 著者:泉鏡花
帯を解いて、紋着を剥いで、浅葱の襟の細く掛った襦袢も残らず。 小児は糸も懸けぬ全裸体。 雨は浴るようだし、恐さは恐し、ぶるぶる顫えると、親仁が、強いぞ強いぞ....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
が並んだ時、顔は帽子の一部分であります。大体の看板は胴体と足であります。すなわち全裸身の完全な発達からくる美しさが必要となって来ます。 だいたい日本婦人の不健....
出家物語」より 著者:坂口安吾
くせに、その身悶えや、夢中のうちに激しくもとめる情の深さは、どういうことだろう。全裸の全身を男に見られることなど一向に羞恥を見せず、される通りに平然としているの....
正午の殺人」より 著者:坂口安吾
じ入れた時と全く変りがなかった。 そこでアケミは寝室へ行ってみた。そしてそこに全裸の姿で俯伏せに死んでいる神田を見出したのである。バスタオルが下半身を覆うてい....
発掘した美女」より 著者:坂口安吾
どね、ボクという若い男性の前で、まるで着物を着てる時と変りのない当り前の様子で、全裸の姿を惜しげもなく見せている娘なんて、いやしませんでしたよ。平気で裸体を見せ....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
りはじめた。股をひらいているが、片手がその前後を滑るように動きつづけているから、全裸かどうかは、まだ見分けがつかない。 ストッキングもぬいでしまうと寝たり起き....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
窟の入り口へ光が射して、すぐに一点|龕燈の光が、闇へ花のように浮かび出たことと、全裸体の乙女がその龕燈を捧げて、悩ましそうな眼付きをして、投げられた丸太に足を打....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
我輩は娘の様子を見ていた。と、どうだろう女だてらに、渚まで行くと着物を脱ぎ、全裸体になって海へ飛び込み、抜き手を切って泳ぎ出したじゃアないか。 それも素晴....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
た。ひでえこんだ、こりゃ、推進機にやられたらしいな」 ギラつく脂のなかで、その全裸の屍体が男であると分った。首はなく、推進機の打ち込んだ、無数の切り傷が全身に....
二人町奴」より 著者:国枝史郎
免」と云ったかと思うと、白の博多の帯をとき、クルクルと衣裳を脱ぎ捨たが下帯一つの全裸体、何と堂々たる体格だ、腕には隆々たる力瘤、胴締まって腰ガッシリ、黒々と胸毛....
犯人」より 著者:坂口安吾
シロをしいた一間と、それだけしかなかった。サヨはムシロじきの板の間のほぼ中央に、全裸の姿で、腹を鋭利な刃物で突きさかれて死んでいた。 人見が屍体を調べて里村に....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
盛な拍手が起った。 浜には今年流行の背中の下まで割れた海水着の娘や腰だけ覆って全裸の青年達が浪に抱きつき叩かれ倒され、遠くから見る西洋人の肌は剥き立てのバナナ....