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全貌
「全貌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
全貌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蠅男」より 著者:海野十三
の膝に泣き崩れた。 さて探偵帆村荘六の努力が遂に酬いられて前代未聞の「蠅男」の
全貌が始めて明らかになった。中でも悦んだのは、府下を守る捜査陣であった。村松検事....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
のだ。進むにつれて右舷の海中へ、身を曲ねらして躍り出た巨大な怪獣のような鳥喰崎の
全貌が、大きくのしかかるように迫り寄る。すると、その出鼻を越して私達の視野の中へ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
ものらしかった。かの女はそのきろきろする斑点を意固地に見据えて、ついでに肖像画の
全貌をも眺め取った。幸い陽の斑点は光度が薄かったので、肖像画の主人公の面影を見て....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
るのですから、とても一朝一|夕に説き尽くされるわけのものではありません。もしその
全貌を知ろうとおぼしめす方は、どうぞ原本に就いてゆるゆる御閲読をねがいます」 ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
炉に眼を止めて、|差込みを引き抜いたので、やがて濛気と高温が退散するにつれ、室の
全貌がようやく明らかになった。
つまりこの一劃は、殯室で云うところのいわゆる前....
「今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
ら、騒ぎが大きくなったのであった。その抱合兵団のことは、次の日記において、初めて
全貌が明瞭となるであろう。 7 六十×年八月八日 最小限生活に追いこま....
「流線間諜」より 著者:海野十三
うような実に戦慄すべき陰謀だった。いずれ順序を追って述べてゆくうちにその怪計画の
全貌が分る日が来るだろうが、そのときにはきっと筆者の今いった言葉の偽りではなかっ....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
じゃないがね。僕は地史学者じゃないが、一つの骨片を発見したのだよ。それで、骨格の
全貌だけでも想像付くと云うものさ」 「フム、そうすると」 「と云って、指紋のよう....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
その人物の全部が実に巧に正確に描かれてあると云っても、しかしなお且つ決してそれは
全貌そのものではない。
全貌を想像し得るように描かれているだけのことです。想像し得....
「演劇への入口」より 著者:岸田国士
(種目)があり、それぞれの種目は、それぞれに歴史的な意味をもっている。 演劇の
全貌をとらえるためには、どうしても、この種目(ジャンル)の識別と、その歴史的位置....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
犯人が築いた大伽藍を、見る見る間に崩して行った。そして、夢殿殺人事件は、漸くその
全貌を白日下に曝されるに至った。 「所で、君にしろ誰にしろ、結局行き詰まってしま....
「城」より 著者:カフカフランツ
い、ということを発見したのです。最近、私のところへ照会がきて、それでもちろん事の
全貌が明らかにされました。A課は、測量技師は必要でないという私の回答に満足し、ソ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
たのではなくて、頭ごなしに私に言われたのですが――私に対してなされている手続きの
全貌の特色を示すものであります。もともと手続きじゃないと異議を申されるかもしれま....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
生命にある。下手人はロオペ博士たるべく、方法は毒害。私はここまで調査した、事件の
全貌はやがて白日下に曝されるであろう」 幸運は博士を見放した。彼の告発事実は、....
「童話を書く時の心」より 著者:小川未明
れ、意義あるものとされているのであります。 何を措いても児童たちに、理想社会の
全貌を彷彿させることが肝要であり、また芸術や、教育の任務でなければなりません。そ....