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「全部〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
全部の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
も孔雀《くじゃく》になることはできない。ある詩人の書いた一行の詩はいつも彼の詩の
全部である。
四 空中の花束
科学はあらゆるものを説明している。....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
れだけ、おれには苦痛である。弟は、沙金をおれから奪おうとする。――それも、沙金の
全部を、おれから奪おうとする。いつかは、そうして必ず。ああ、おれの失うのは、ひと....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
どもこの朝の百本杭は――この一枚の風景画は同時に又本所の町々の投げた精神的陰影の
全部だった。
二 牛乳
信輔は全然母の乳を吸ったことのない少年だった....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
は、昔から一種の軽蔑を持っていた。なぜかというと、歌にしても、発句にしても、彼の
全部をその中に注ぎこむためには、あまりに形式が小さすぎる。だからいかに巧みに詠《....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
、沙室《シャム》でも、印度《インド》でも、――つまり懐郷の悲しみは、自分の憂鬱の
全部ではない。自分はただこの国から、一日も早く逃れたい気がする。しかし――しかし....
「河童」より 著者:芥川竜之介
みえ、大きい腹をふくらませてこう言うのです。
「なに、プウ・フウ新聞の記者たちも
全部労働者の味かたではありませんよ。少なくとも我々河童というものはだれの味かたを....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
敵打の本懐も遂げ難きやに存ぜられ候間《そうろうあいだ》……」――これがその仔細の
全部であった。しかし血に染んだ遺書の中には、もう一通の書面が巻きこんであった。甚....
「路上」より 著者:芥川竜之介
、まあ御転婆《おてんば》な点だけは幾分認めない事もないが――」
「序《ついで》に
全部認めちまうさ。――そう云えばこの頃初子女史は、『戦争と平和』に匹敵《ひってき....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
大差のないことだけは確かである。もしそれだけでも確かだとすれば、人間らしい感情の
全部は一層大切にしなければならぬ。自然は唯《ただ》冷然と我我の苦痛を眺めている。....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
確執をつづけていましたが、武運拙く、籠城三|年の後、荒次郎をはじめ一|族の殆んど
全部が城を枕に打死を遂げたことはあまりにも名高き史的事蹟であります。その際小櫻姫....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
音を以て一字ずつ書き綴るのは煩わしきに過ぎ、又|入神状態に於て口で喋るのは、その
全部を保存し難く、又潜在意識の闖入を、充分に防止し得るとは保証し難い所がある。 ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
も、諸学者と往復した手紙も、あるいはまた金銭の収入を書いた帳面までも、王立協会に
全部保存されて今日に残っている。 リボーの店には、外国から政治上の事で脱走して....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
らみついている野葡萄の実をとってやったり、彼女たちを面白がらせるために墓石の銘を
全部朗唱したり、あるいはまた、彼女らをみんな連れて近所の水車用水池の堤を散歩した....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
わなければなりません。すなわち、政界不安定の原因が自由党の内紛であり、その責任の
全部が、総裁たる吉田首相の統率力の欠如にあるといわなければなりません。自由党幹部....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
のかたまりだと言う。日本無産党というと、鈴木、加藤と来る。社会党はこれらの戸籍を
全部やめて、そういう古い社会主義者に新しい分子を加えてつくった統一政党であるが、....