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全量
「全量〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
全量の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
ら出る色気はない。中央寺の坊主のいい草ではないが珍重珍重だ。おぬいさんがあのXの
全量を誰かに滴らす段になってみろ……。渡瀬は思わず身ぶるいを感じた。
まず作戦....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
いた過去の凡てではないか。そこには私の親もいる。私の祖先もいる。その人達の仕事の
全量がある。その人々や仕事を取り囲んでいた大きな世界もある。或る時にはその上を日....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ye)にもウォルフ(C. Wolf)にもうかがわれる。しかしともかくも物質はその
全量を不変に保存しながら徐々に進化を経たものであるという主導的観念はあらゆる開闢....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
急措置をいたされ、咳とめ注射のおかげにて陶然となりぬ。この喀血は三日間相当ありて
全量二百グラム位かと覚えたり。村上先生毎日三度来宅、懇切なる手当をつくされ、その....
「時の観念とエントロピーならびにプロバビリティ」より 著者:寺田寅彦
す時刻は何を示すかといえば、それは宇宙の老衰の程度を示すものである。エネルギーの
全量は不変でも、それはこの時計の進むにつれて墜落し廃頽して行く。この時計ほど適切....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
一家のうちでもっともすぐれた人々は、邪悪なあるいは凡庸な血縁の者のために、献身の
全量を使い果たしてしまい、したがって、その献身を受くるにもっともふさわしく、彼ら....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
を持っていたのだ。彼は完璧《かんぺき》であった。彼はその頭脳の中に、人間の能力の
全量を収めていた。彼はユスチニアヌスのように法典を作り、シーザーのように命令し、....
「戦争論」より 著者:坂口安吾
し、人間はそのエネルギーの総量をあげて人を殺すことを許され、原子エネルギーもその
全量の最も有効なるバクハツ力を発揮することを許され、祈られることができた。 日....
「流言蜚語」より 著者:寺田寅彦
種類を仮定した上で、その極量を推定し、また一人が一日に飲む水の量や、井戸水の平均
全量や、市中の井戸の総数や、そういうものの概略な数値を知らなければならない。しか....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
た。と、襲衣の襟が捲くれ円々とした肩が現われた。連れて一方左の乳房が、タップリと
全量を現わした。さも重たそうな乳房である。 「さあご返辞をなさりませ」 こうい....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
えられているとすると。 だから、交換者は、二商品のうち、自分が所有する一商品の
全量を供給するのが、利益であることもあり得べく、また相手の商品を全く需要せぬのが....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
、空気の中に大量の窒素が存在することに就て不審を抱いて居りました。実に窒素は空気
全量の五分の四を占めて居りまして、而も人類の生存に取っては何の利益もないと考えら....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
を考うるに、意向は心力の一方に集合、会注するより起こるをもって、仮に脳中の心力の
全量を百と定めてこれを五分に分かつに、各部二十の力を有するを平常のときとす。しか....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
極めて種類が多く、従来雪の代表の如くに思われていた六花状の結晶は、実際に降る雪の
全量の中ではほんの一部に過ぎないことが分った。それでは次に、これらの多種多様な結....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
は入札者の申合わせを無視して、山陽の切込み炭百斤を斤三十一円五十銭の正価で入札、
全量を落札した。入札の会場ははちの巣をつつく大騒ぎである。仲仕を使って殺してしも....