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八つ口
「八つ口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
八つ口の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
のめずら》しくふと彼の目に映った。たっぷりしたその髪を島田に結って、なまめかしい
八つ口から、むっちりした肱《ひじ》を見せながら、襷《たすき》がけで働いているお島....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
された妹の顔は真っ蒼であった。髪もむごたらしく乱れていた。着物の襟も乱れて、袖の
八つ口もすこし裂けていた。何か他人《ひと》とむしり合いでもしたのではないかとも思....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
して着せました。それは本紅《ほんこう》の胴裏を附けた変縞《かわりじま》の糸織で、
八つ口の開いた女物に袖を通させて、折込んだ広襟を後から直してやれば、優形《やさが....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
筒袖は極めて少なかった。筒袖を着る者は裏店の子だと卑しまれたので、大抵の男の児は
八つ口の明いた長い袂をもっていた。私も長い袂をあげて白い虫を追った。私の
八つ口に....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
明るいためにかえって人形遣いの方が邪魔になってよほど趣きを打壊すが、昔は暗い上に
八つ口だけの赤い、真黒な「くろも」というものを着附けていたので目障りではなかった....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
を突き詰めて行かなければ……で、恨むのは、どの旦那様にしよう」 思い迷った女は
八つ口から赤い手を出したまま裏口に立った。 そこに指で押しながら考えをまとめる....
「女心拾遺」より 著者:矢田津世子
に駆られる。けれど、不思議に眼だけがおしもの体を離れようとはせず、知らず知らずに
八つ口から入った手が萎びたわが乳房を探り、骨々したわが胸を撫でてみる。そして、「....
「澪標」より 著者:外村繁
っ」 たつはあわてて腕を下し、私の手を締めつける。が、そのため、私の手は却って
八つ口からたつの腋の中に入ってしまう。 「こそ……こ、こ、こそ……ぼ……」 私....