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「八つ時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

八つ時の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
るのも肯《き》かずに、出ていった。 おどおどして入っていった植源の家の、丁度お八つ時分の茶《ちゃ》の室《ま》では、隠居や子息《むすこ》と一緒に、鶴さんもお茶を....
護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
の琴三味線師の家から出火して、日本橋方面へ焼けひろがり、翌朝卯の刻まで焼けた。「八つ時分三味線屋からことを出し火の手がちりてとんだ大火事」と云う落首があった。浜....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の平蔵さんの家の前へ出ました。狸にでも化かされたように、ぼんやり妻籠へ帰ったのが八つ時ごろでしたさ。」 半蔵もお民も笑い出した。 寿平次はお民と二人ぎりの兄....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の様子を聞きたがるのに不思議はなかった。 その日の藩主は中津川泊まりで、午後の八つ時ごろにはお小休みだけで馬籠を通過した。 「下に。下に。」 西へと動いて行....
古狢」より 著者:泉鏡花
が手巾でよく払いて、縁台に腰を掛けるのだから、じかに七輪の方がいい、そちこち、お八つ時分、薬鑵の湯も沸いていようと、遥な台所口からその権ちゃんに持って来させて、....
おせん」より 著者:邦枝完二
だのが、去年の暮も押し詰って、引摺り餅が向ッ鉢巻で練り歩いていた、廿五|日の夜の八つ時だった。 ざっと二|年。きのうもきょうもない春重のことながら、二十七のき....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
黙って泥濘《ぬかるみ》の道を拾った。 「大分降りやした――気違え雨――四つ半から八つ時まで――どっと落ちて――思い直《なお》したように止みやがった。へん、お蔭で....
挿話」より 著者:徳田秋声
ころと少しも変わらなかった。 道太はこの子の踊りを見たことはなかったけれど、七八つ時分から知っていた。秋祭の時、廓に毎年屋台が出て、道太は父親につれられて、詰....