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八反
「八反〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
八反の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
で、髪は達摩返《だるまがえ》しに結いまして、藍《あい》の小弁慶の衣服《きもの》に
八反《はったん》と黒繻子《くろじゅす》の腹合《はらあわせ》の帯を引掛《ひっか》け....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
《おやじ》が未だ達者な時分、隣村の親戚から頼まれて余儀なく買ったのだそうで、畑が
八反と山林が二町ほどここにあるのである。この辺一体に高台は皆山林でその間の柵が畑....
「永日小品」より 著者:夏目漱石
も、布団《ふとん》の上でも容赦《ようしゃ》なく汚す。来客の用意に拵《こしら》えた
八反《はったん》の座布団《ざぶとん》は、おおかた彼れのために汚されてしまった。 ....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
まに崩《くず》れもせず、藤尾の部屋は昨日《きのう》も今日も静かである。敷き棄てた
八反《はったん》の座布団《ざぶとん》に、主《ぬし》を待つ間《ま》の温気《ぬくもり....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
こで附近の山の高さと三角点の話をしてやる。名前を書いた杭を打って、小代村へ向って
八反滝という谷を下る。初めは楽だが下の方は名前の如く滝また滝でそのたび尾根へ登ら....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
の急須に今茶を入れて呑もうと云うので、南部の万筋の小袖に白縮緬の兵子帯を締め、本
八反の書生羽織で、純子の座蒲団の上に坐って、金無垢の煙管で煙草を吸っている春見は....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
や。夫に引変え破褞袍着て藁草履はき腰に利鎌さしたるを農夫は拝み、阿波縮の浴衣、綿
八反の帯、洋銀の簪位の御姿を見しは小商人にて、風寒き北海道にては、鰊の鱗怪しく光....
「市川九女八」より 著者:長谷川時雨
役者の配り手拭《てぬぐい》の、柄の好いのばかりで拵《こしら》えた手拭浴衣を着て、
八反《はったん》の平《ひら》ぐけを前でしめて、寝ころんだまま、耳にかんぜよりを突....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
そこへ、ひょろ松が入って来た。 見ると、いつものざっかけない衣装とちがって、
八反《はったん》の上下に茶献上の帯。上州あたりの繭問屋《まゆどんや》の次男とでも....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
のある円顔、髪を太輪の銀杏返しに結って、伊勢崎の襟のかかった着物に、黒繻子と変り
八反の昼夜帯、米琉の羽織を少し抜き衣紋に被っている。 男はキュウと盃を干して、....
「瘤」より 著者:犬田卯
え感じたほどだった。 所有地管理の傍ら、一人の作男と下働きの女中を置いて、一町
八反の自作――それが親父のやって来た家業であったが、覚束ない老母の計算を基盤に収....
「米」より 著者:犬田卯
かついで、そしてとっとと坂を駈け下りた。 一日も早く植えてしまわなければならぬ
八反歩ばかりの田を控えて、赤ん坊の手さえ借りたい今明日、尋常六年生のおさよは無論....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
蔵の無い高笑。少禿天窓てらてらと、色づきの好い顔容、年配は五十五六、結城の襲衣に
八反の平絎、棒縞の綿入半纏をぞろりと羽織って、白縮緬の襟巻をした、この旦那と呼ば....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
の養老の単物といえば体裁が宜いが、二三度水に這入ったから大きに色が醒めましたが、
八反に黒繻子の腹合せと云っても、山が入って段々縫い縮めたから幅が狭く成って居りま....
「特殊部落の人口増殖」より 著者:喜田貞吉
の年貢で天部村から租借し、建家の承諾を得てここにも発展した。ここに於いてもと僅々
八反半ばかりの地所に引移った六条村民は、船入の左右に渉り、高瀬川を越え、北は七条....