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八手
「八手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
八手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
れらの前を、香具売《こうぐうり》らしい商人が二人、声高に話して行く。傾城買の四十
八手は、何一つ心得ぬことのない藤十郎様が、密夫の所作を、どなに仕活《しいか》すか....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
は、人間の背よりも高い笹藪がつづいていて、ところどころに小さな丘があり、そこには
八手や五月躑躅が密生していて、隠れん坊にはこの上ない場所だったけれど、まるで谷間....
「家」より 著者:島崎藤村
いような笑い方をした。 入口の庭の隅には、僅かばかりの木が植えてある。中でも、
八手だけは勢が好い。明るい新緑は雨に濡れて透き徹るように光る。青々とした葉が障子....
「相撲」より 著者:寺田寅彦
がある。切り抜きをなくしたので、どんな事を書いたか覚えていないが、しかし相撲四十
八手の裏表が力学の応用問題として解説の対象となりうることには違いはないので、その....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
をつけて、里の牛飼、山家の柴男、または上方から落ちて来た本職の角力取りなど、四十
八手に皮をすりむき骨を砕き、無用の大怪我ばかりして、またこの道にも特別の興ありと....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
る。私は三年前の夏の一夜を思いだす。水のような月の光が畳の上までさし込んで、庭の
八手の疎らな葉影は淡く縁端にくずれた。蚯蚓の声も幽かに聞こえていた。螢籠を檐に吊....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
路へ差しかかった。薬沢、神之原、柳沢。この柳沢で夜を明かし翌朝は未明に出発した。
八手まで来て北に曲がったが、もうこの辺は高原で、これより奥には人家はない。阿弥陀....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
たやすいピアノの曲を出すのです。で、シューマンの謝肉祭を簡単にして、四手や六手や
八手に直すことを、あなたにしてもらえましょうか。」 クリストフは飛び上がった。....
「古木」より 著者:豊島与志雄
、坐ってみたり縁側に出てみたりする時、庭の植込み、藤棚や、梅や、椿や、百日紅や、
八手《やつで》などに、眼をやることもありましたが、それもへんに無関心で、やがてま....
「崖下の池」より 著者:豊島与志雄
子供たちはもう池へ遊びに来ませんでした。地所の三方には竹の四つ目垣が結い廻され、
八手《やつで》の青葉などが所々にあしらわれ、一方の崖には、焼け残った灌木が芽を出....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
相撲へ弟子入りさせ、やがて自分で一座をつくり、勇駒という草相撲の大関を師匠に四十
八手裏表の練習をつませたうえ、全国を興行して人気を集めた。この一座の人気力士は遠....
「村芝居」より 著者:井上紅梅
剥き出した大勢の男と戦いの最中であった。 「あれは名高い荒事師だ。蜻蛉返りの四十
八手が皆出来るんだよ。昼間幾度も出た」と雙喜は言った。 わたしどもは皆|船頭に....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
を立てたが、急に立ち上がると円窓を開けた。 窓の外は狭い坪庭であって、石灯籠や
八手などがあった。その庭を囲んでいるものは、この種の妾宅にはつき物にしている船板....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
、幹などは太く頑丈であって、茶緑の鎧でも着ているようであったが、その前に丈の高い
八手の木があって、その広い葉で桐の木の幹の、下半分を蔽うていた。
と、その
八手....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
、食いとめられれば負け、という三根山は私のいちばん好きな力士である。 相撲四十
八手のうちに「かわずがけ」というのがある。河津三郎が股野と相撲をとって勝った手だ....