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「八方美人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

八方美人の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海流」より 著者:宮本百合子
る泰造の態度も気にくわなかった。泰造には深いところがない。思索的なところがない。八方美人である。日頃瑛子は良人をそういう風に観てあき足りないでいるのであったが、....
秋風記」より 著者:太宰治
男だもの。」 「どうだか。」Kは、きつい顔をする。 「Kは、僕を憎んでいる。僕の八方美人を憎んでいる。ああ、わかった。Kは、僕の強さを信じている。僕の才を買いか....
源氏物語」より 著者:紫式部
を豊かに持たせたものであると、どれにも同情のある批評を宮があそばされるのを、 「八方美人の審判者だ」 と言って源氏は笑っていた。月が出てきたので酒が座に運ばれ....
無題(二)」より 著者:宮本百合子
様にそれについて今は忘れた様になって居ると私は思う。あんまり人なつっこいあんまり八方美人に芸術はなりかかって居る。 犯しがたい威厳のあるツンとした女王の様な態....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
、 「よいぐあいに世渡りする上手者《じょうずもの》、愛嬌《あいきょう》を振りまく八方美人」 という。また丙《へい》は、 「真に人に接して城壁《じょうへき》を設....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
漸とこさと出来て、溜飲が下ったようなイイ気持がしたと嬉しがった。表面は円転滑脱の八方美人らしく見えて、その実椿岳は容易に人に下るを好まない傲岸不屈の利かん坊であ....
食道楽」より 著者:村井弦斎
は何かにつけて中川を突込《つっこ》まんと「中川君、君の話しは大層上手だがいわゆる八方美人主義で一向要領を得ない。程や加減が誰にでも悟り得られれば君のお談義を聞く....