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八枚
「八枚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
八枚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
自分ももう一つの車に乗った。葉子の紙入れの中には正金銀行から受け取った五十円金貨
八枚がはいっている。そして葉子は古藤がそれをくずして立て替えを取る気づかいのない....
「富士」より 著者:岡本かの子
激しい慄えが来る。かくてまたもや自分は裂けた。 「わたくしは只今、最初から数えて
八枚目の肋骨まで出来ております。わたくしの身体の根は、この島山の北の海岸にひき、....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
大いに感動す。この旨、安達君へ手紙を認めた。 ◯読者ウィークリーに「鼠色の手袋」
八枚を書く。 ◯力書房の田中氏、原稿用紙を持って来てくれる。 松平維石の「キカ....
「志賀直哉氏の作品」より 著者:菊池寛
家からでも容易には得られないように自分は思う。短篇の中でも「老人」は原稿紙なら七
八枚のものらしいが、実にいい。説明ばかりだが実にいい(説明はダメ飽くまで描写で行....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
ことができるのであった。 烏啼と藤代女史とが、この静かな画房の中で、蒐集の名画
八枚をうっとりと眺めているとき、音もなく扉があいて、そこからひどい猫背の黒眼鏡を....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
間の発明のことであったか。 「ふうん、大したものだ」 私は、むさぼるように、十
八枚からなるその設計図を、いくどもくりかえして眺め入った。じつに、巧妙をきわめた....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
をかけた。これも異状なしであった。それから私は、また次へうつった。 それは丁度
八枚目をかけているとき、とつぜん外で銃声を耳にした。と、それにかぶせて、若い女の....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
て)鐘撞先生が打ってしめた、神官様の嬢様さあ、お宮の住居にござった時分は、背中に
八枚鱗が生えた蛇体だと云っけえな。……そんではい、夜さり、夜ばいものが、寝床を覗....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
であったが。 水をたっぷりと注して、ちょっと口で吸って、莟の唇をぽッつり黒く、
八枚の羽を薄墨で、しかし丹念にあしらった。瀬戸の水入が渋のついた鯉だったのは、誂....
「京のその頃」より 著者:上村松園
さん、やあさんと言ってた。非常に舞の上手な娘さんで、殊に扇をつかうことがうまく、
八枚扇をつかうその舞は役者でも真似が出来ないと言われたくらいで、なかなかの評判だ....
「四条通附近」より 著者:上村松園
が、人々は「やあさん」とよんだ。 舞の上手な娘さんで、ことに扇つかいがうまく、
八枚扇をつかう舞など、役者にも真似ができないと言われたほどで、なかなかの評判であ....
「雪の一日」より 著者:岡本綺堂
もすこしく熱があるようであるが、私は委細かまわずにペンを走らせて、夕方までに七、
八枚を一気に書いた。 あたまの上の電灯が明るくなる頃になっても、表の雪はまだ降....
「拷問の話」より 著者:岡本綺堂
取合わなかった。 かれはすぐに第二回の拷問を繰返すことになって、笞打のほかに石
八枚を抱かされた。強情に彼はこれまでの経験があるので、七枚までは眼をとじて堪えて....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
は他に用事があるのかこちらへ来てくれなかった。もっとも肌に着けて居ったインド金貨
八枚だけは取られない。自分の荷物は大分軽くなり山羊の荷物は全く失くなってしまった....
「古事記」より 著者:太安万侶
て見て、「これは貴い御子樣だ」と言つて、内にお連れ申し上げて、海驢《あじか》の皮
八枚を敷き、その上に絹《きぬ》の敷物を
八枚敷いて、御案内申し上げ、澤山の獻上物を....