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八荒
「八荒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
八荒の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
き尽してやまざる底《てい》の気魄《きはく》が吾人の尊敬に価《あたい》せざる以上は
八荒《はっこう》の中《うち》に尊敬すべきものは微塵《みじん》ほどもない。黒い顔!....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、人も災を蒙《こうむ》ることが多いのだそうでございます。そこで、この時分を、比良
八荒《ひらはっこう》と申しまして、事に慣れた漁師でさえも、出舟を慎しむのだそうで....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
相談相手があるんだから、奮発をしてお前さん、連判状の筆頭につかないか。」 意気
八荒を呑む女賊は、その花のごとき唇から閃いてのぼる毒炎を吐いた。洞穴の中に、滝太....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
扮装で、長刀佩いてヌタクリ出で、さて大見得を切った後、 「東夷南蛮|北狄西戎西夷
八荒天地|乾坤のその間にあるべき人の知らざらんや、三千余里も遠からぬ、物に懼じざ....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
記にあらず、記実にあらず、文学者の頭脳は四畳半の古机にもたれながらその理想は天地
八荒のうちに逍遙《しょうよう》して無碍自在《むげじざい》に美趣を求む。羽なくして....
「三国志」より 著者:吉川英治
禁を生捕り、※徳を誅し、魏の急援七軍の大半以上を、ことごとく魚鼈の餌として、勢い
八荒に震い、彼の名は、泣く子も黙るという諺のとおり天下にひびいた。 時に、次男....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ち十日は、当麻寺の行院へ参ッて、役僧座に勤めておりまする」 「名は」 「当麻寺の
八荒坊と申す者」 「
八荒坊か。覚えておこう」 「して、あなた様には、東大寺|行幸....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
と思われますが」 豊麻呂には、自責もあった。 俊基の身をここへ隠し、つき纒う
八荒坊は、高野街道へおびき出して、頼春と菊王の手で打ち果させるという計は、そもそ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
「……疾くより、みかどにはふかく御たよりに思され、時あれとしておわせしが、宇内
八荒のありさま、今や坐視あらせらるるに忍び給わず、ついに御意を決して、二十四日払....
「随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
。私の「帖」もその例外なものではない。 じつは「千早・金剛帖」と考えたりまた「
八荒帖」「喪春帖」などと句作の苦吟でもするように迷って、つい半日ほど並べてみてい....