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「八角〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

八角の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
るのはわかりきっていた。柿江はそわそわした気分で、低い天井とすれすれにかけてある八角時計を見た。もう九時が十七分過ぎていた。しかしぐずぐずしていると、他の教師た....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
に降ったと思う頃、又も一個の室とも云う可き平な床へ降り着いた、熟く視ると此の室は八角に出来て居て、其の一角ごとに一個の潜戸が附いて居る、詰る所、余は上から降りて....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
して形が各自《めいめい》異う。角形のもの、円形のもの、菱形のもの、円錐形のもの、八角形のものもある。そうしてその色も異っている。ある壺は紫色を呈している。ある壺....
時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
も無理ならぬことのようにも考えられる。すなわち、まず第一号を読んでみると、 一、八角形ノ文字盤ヲ有シ、其ノ下二振子函アル柱時計ニシテ、文字盤の裏ニ赤キ「チョーク....
四次元漂流」より 著者:海野十三
見雪子嬢、年齢は二十五歳だがそれより二つぐらいふけてみえる木見学士、高い鼻の上に八角形の縁なし眼鏡をかけている美しい若い研究者――その木見雪子が突然行方不明にな....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
つ浮出ている。影をうけた束、貫の材は、鈴と草の花の玉の螺鈿である。 漆塗、金の八角の台座には、本尊、文珠師利、朱の獅子に騎しておわします。獅子の眼は爛々として....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
サ、フワフワ、ネバネバ、ニチャニチャ、張力、弾力、円錐球楕円三角鋭角鈍角平面四角八角ギザギザ階段その他いろいろの複雑な立体などである。要するに目で見てははっきり....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
ちに襲われ胃嚢を圧えながら寝椅子から下りた。早くアッペリチーフを飲みたいものだ。八角テーブルの上に置いてある唇草の花が気になって新吉はその厚い花弁を指で挟んでは....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
に引出されたんで。 十五 小宮山は切歯をなして、我|赤樫を割って八角に削りなし、鉄の輪十六を嵌めたる棒を携え、彦四郎定宗の刀を帯びず、三池の伝太....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
その中に最も人間に近く、頼母しく、且つ奇異に感じられたのは、唐櫃の上に、一個八角時計の、仰向けに乗っていた事であった。立花は夢心地にも、何等か意味ありげに見....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
で鞭で尻を叩く真似をしながら、彼方此方と駆け廻る。それを少し離れた処で柄の付いた八角形の眼鏡の、凸レンズが七個に区画されたので覗くと、七人のそうした姿の男が縦横....
置土産」より 著者:国木田独歩
お絹が応えしままだれも対手にせず、叔母もお常も針仕事に余念なし。家内ひっそりと、八角時計の時を刻む音ばかり外は物すごき風狂えり。 『時に吉さんはどうしてるだろう....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
でお辞儀をして、 「では、ご見物を。」 「心得た。」 見ますとね、下の店前に、八角の大火鉢を、ぐるりと人間の巌のごとく取巻いて、大髻の相撲連中九人ばかり、峰を....
西航日録」より 著者:井上円了
然の庭を築き、造化の妙を示せり。その石、あるいは五角なるあり、あるいは六角ないし八角なるあり、直径一尺五寸ないし二尺余にして、その数幾万なるを知らず。上下となく....
世間師」より 著者:小栗風葉
がないと聞いた時の、あの無愛相な上さんの顔が思いやられる。 そのうちに、階下の八角時計が九時を打った。それから三十分も経ったと思うころ、外から誰やら帰ってきた....