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八達
「八達〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
八達の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
ぼうし》をかぶらぬ男が一人、万里《ばんり》の長城《ちょうじょう》を見るのに名高い
八達嶺下《はったつれいか》の鉄道線路を走って行ったことを報じている。が、この記事....
「自転車日記」より 著者:夏目漱石
徹の難関である、今しも余の自転車は「ラヴェンダー」坂を無難に通り抜けて、この四通
八達の中央へと乗り出す、向うに鉄道馬車が一台こちらを向いて休んでいる、その右側に....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、何処へ辿りつくのだろうか。鐘鳴器室か礼拝堂かあるいは殯室の中にか、それとも四通
八達の岐路に分れて……。
二、伸子よ、運命の星の汝の胸に
足許には....
「物理学と感覚」より 著者:寺田寅彦
数学の行き方とすれば物理学のはそうでない。このような自動車のハンドルを握って四通
八達の街頭に立っているようなものである。同じ目的地に達するのでも道筋の取り方は必....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
騨の国をこれよりまたみずほの実る美濃の国に追い出され、またも涯《かぎ》りなく四通
八達のところへ投げ出されねばならなくなった机竜之助というものの運命の悪戯《いたず....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
あがれ、うふふ」 見ればいつのまにか、もうキリリとした道中姿になっていて、四通
八達、どちらへでも飛べるように、ちゃんと身拵えが出来て来ている。 がんりきが、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を逃げるのは、それこそ本当の朝飯前だ。山谷《さんや》や袋町の行詰りとは違い、四通
八達の小田原城下を、小路小路まで案内知った常壇場《じょうだんば》のようなものだか....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
栄三郎の手にも愛刀武蔵太郎安国が寂《じゃく》と光って、同じくこれも神変夢想、四通
八達に機発する平青眼……。
あいしたう二刀が近々と寄って、いずれがいずれをひき....
「慾」より 著者:豊島与志雄
その他、身体の内外ともに四方八方へ動くことの自由だ。街路を歩いていて、自分の四通
八達の自由に呆れ返って、ふと空を仰ぐと、ちっぽけな見すぼらしい空に電線が幾筋も引....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
越す瞬間のときめき。幻燈のまち。そのまちには、よく似た路地が蜘蛛の巣のように四通
八達していて、路地の両側の家々の、一尺に二尺くらいの小窓小窓でわかい女の顔が花や....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
設備をなし、互いに繁栄を競いつつある。しかるに電車という交通機関開けてより、四通
八達、わずか数銭を投ずれば都の片隅から片隅まで、短時間のうちに往復が出来て、遺憾....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
、巷の者共、穢してはならぬよ、処女造庭境を! そこから一歩踏み込んだが最後、迷路
八達岐路縦横、再び人里へは出られぬぞよ!」 続いてドッと笑う声が天狗倒しの風の....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
方へは二上山を経て河内、大阪方面へ通じている。三輪のミヤコをまン中に、交通は四通
八達していたらしい。これを古に「山の辺の道」と云い、古記にも、崇神天皇には「御陵....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
最も現世的のものに見出す大師一流の仏教哲学の帰結の方法であります。 大師が四通
八達の文化的の智才を以て庶民生活の実地の便利を図られたことは、俗に弘法|温泉とか....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
道馬車があり、円太郎馬車があったものゝ、いまの電車のように方々すみ/″\まで四通
八達はしておりません。すこし遠みちをしようというとき、知らない土地へ行こうという....