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八重垣
「八重垣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
八重垣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
恋のように思います。これが日本の昔であってみると、大概似たもののように見えます。
八重垣姫《やえがきひめ》の恋も、御駒才三の恋も、御染久松《おそめひさまつ》の恋も....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
って四方を見まわせば、いつでも自分は天地の中心になるのである。予ら四人はいま雲の
八重垣の真洞の中に蛤をとっている。時の移るも知らずに興じつつ波に追われたり波を追....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
の前を過ぎて行った。何もかも投げ出したいような気持ちで走って行きながら、「貴方は
八重垣町の方へいらっしゃるんじゃあないですかッ!」と私は大きい声でたずねてみた。....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
とに代々の屋形があって、ちょっとした壕も廻らしている。屋形のうしろに断崖がある。
八重垣落しである。
八重垣というのはこの竜造寺家幾代目かの寵姫である。戦乱の収....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ではない。美と愛慾への憧憬と感受性とを刺戟した。私たちの目の前には花ぐしの揺らぐ
八重垣姫や、前髪の美しい久松や、しゅすの帯をしめたお里や、狂乱のお舟や、文箱を持....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
た人が、さっと煙のように過ぎた。 何もかも投げ出したいような気持で、 「貴方は
八重垣町の方へいらっしゃるんじゃあないんですかッ!」 と私は叫んだ。 「えゝそう....
「豊竹呂昇」より 著者:長谷川時雨
を思いだした。またある時は名門の出の某男爵が濡衣《ぬれぎぬ》に扮したおり、彼女は
八重垣姫《やえがきひめ》を振りあてられて真面目《まじめ》に化粧《けわ》い衣装をし....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
いのは、何といっても今の中村梅玉であろう。 政治郎時代の梅玉が明治三十年に東京で
八重垣姫をした頃の美しさなどは、素晴しいものだった。一体に東京の芝居に出入りする....
「春」より 著者:岡本かの子
ゃるの。世界の何処によ。明日はいらっしゃるのね。 淋しいの。まるでハムレットか
八重垣姫のように淋しいの。アンドレ・ジイド爺さんによろしく。爺さんの癖に文学なん....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
れが花のなかの花と謳われて、新駒屋の艶名が東京市中に喧伝されていた。かの団十郎の
八重垣姫に対して勝頼をつとめ、団十郎の岩藤に対して尾上を勤めた頃が、その人気の絶....
「上野」より 著者:永井荷風
巧ニ景致ヲ成ス。而シテ園中桜樹躑躅最多ク、亦自ラ遊観行楽ノ一地タリ。祠前ノ通衢、
八重垣町須賀町、是ヲ狭斜ノ叢トナス。此地ノ狭斜ハ天保以前嘗テ一タビ之ヲ開ク。未ダ....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
、我童、権十郎、松之助ら出勤。 ○四月、市村座にて「本朝廿四孝」を上演。団十郎の
八重垣姫が呼び物となる。 ○五月、中村座にて「月梅薫朧夜」を初演。菊五郎の花井お....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
序にも和歌は素戔嗚尊にはじまったと記している。これは『古事記』の、 八雲立つ出雲
八重垣つまごみに
八重垣つくるその
八重垣を という、尊のお歌をさすのであって、記録....
「八の字づくし」より 著者:古川緑波
とに気がついた。八雲、八千代、八百文。 もう一つ、八の字を追加すれば、天ぷらの
八重垣だろう。これは、洋食じゃあないが。 これも町名不詳。最近
八重垣へ行ったら....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
おはぐろつけたて中年増、 黄と白、赤の葱坊主、毛槍かつげば供奴、 人蔘の花、
八重垣姫の花かんざしの額髪、 花の痛いは種|牛蒡、勧進帳の篠懸けだ。 此処に....