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八重垣姫
「八重垣姫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
八重垣姫の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
恋のように思います。これが日本の昔であってみると、大概似たもののように見えます。
八重垣姫《やえがきひめ》の恋も、御駒才三の恋も、御染久松《おそめひさまつ》の恋も....
「農村」より 著者:宮本百合子
はあんまり飾ってなく、あれば色取った紙を板にはりつけた二三銭のか、それでなければ
八重垣姫や助六等を粗末な布で押し絵にしたものばかりである。凧の方がまだ見事に書い....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
以来、戦勝者が本藩を建て、竜造寺家はその支藩の名の下にこの土地に封ぜられた。その
八重垣姫には落度があった。それが無実であるかどうかは分らぬが、密通の重罪を負わさ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ではない。美と愛慾への憧憬と感受性とを刺戟した。私たちの目の前には花ぐしの揺らぐ
八重垣姫や、前髪の美しい久松や、しゅすの帯をしめたお里や、狂乱のお舟や、文箱を持....
「豊竹呂昇」より 著者:長谷川時雨
を思いだした。またある時は名門の出の某男爵が濡衣《ぬれぎぬ》に扮したおり、彼女は
八重垣姫《やえがきひめ》を振りあてられて真面目《まじめ》に化粧《けわ》い衣装をし....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
いのは、何といっても今の中村梅玉であろう。 政治郎時代の梅玉が明治三十年に東京で
八重垣姫をした頃の美しさなどは、素晴しいものだった。一体に東京の芝居に出入りする....
「春」より 著者:岡本かの子
ゃるの。世界の何処によ。明日はいらっしゃるのね。 淋しいの。まるでハムレットか
八重垣姫のように淋しいの。アンドレ・ジイド爺さんによろしく。爺さんの癖に文学なん....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
れが花のなかの花と謳われて、新駒屋の艶名が東京市中に喧伝されていた。かの団十郎の
八重垣姫に対して勝頼をつとめ、団十郎の岩藤に対して尾上を勤めた頃が、その人気の絶....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
、我童、権十郎、松之助ら出勤。 ○四月、市村座にて「本朝廿四孝」を上演。団十郎の
八重垣姫が呼び物となる。 ○五月、中村座にて「月梅薫朧夜」を初演。菊五郎の花井お....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
おはぐろつけたて中年増、 黄と白、赤の葱坊主、毛槍かつげば供奴、 人蔘の花、
八重垣姫の花かんざしの額髪、 花の痛いは種|牛蒡、勧進帳の篠懸けだ。 此処に....